独Infineon Technologiesは、電気・ハイブリッド車など自動車用エレクトロニクス向けに高電流容量と高効率性を実現するパッケージ技術「H-PSOFパッケージ技術」を発表した。同パッケージは高電流MOSFET用に新たに開発したTOパッケージで、JEDEC規格H-PSOF(ヒートシンク、プラスチック製小外形フラットリード、Heatsink Plastic Small Outline Flat lead)に準拠している。

今後の自動車用パワーエレクトロニクスにおいては、高い自動車燃費効率基準と低い全般的排出量を同時に満たすために、導通損失を低減し、全体的効率を上げるための200Aを超える電流容量と1mΩ未満のオン抵抗を持つパワーMOSFETが必要になっている。

今回のH-PSOFパッケージ開発の主目的は、パッケージの抵抗を減らし、すでに高い電流容量を提供してきたD2PAK パッケージ(TO-263)と比較して、さらに高い電流容量を提供することにあった。H-PSOFパッケージ技術を用いた製品として最初に発売する「40V OptiMOS T2 」パワートランジスタファミリの「IPLU300N04S4-R7」は、最大300Aの電流容量に加え、0.76mΩのオン抵抗を実現している。

また、H-PSOFパッケージは、D2PAKと比較して、パッケージ全体の寸法を約20%、高さを半分に縮小。さらに組み立ておよび製造上の利点もあり、 特別な設計が確実なはんだ付けのためのぬれ性を良くする他、通常、表面実装技術(SMT)生産ラインの一環として自動光学的検査(AOI)を利用した半田付け後の端子管理も可能となっている。

このH-PSOFパッケージにより、ハイブリッド車のバッテリー管理や、電動パワーステアリング(EPS)、アクティブオルタネーター、高効率化と低排出を可能にする他の重負荷アプリケーションが含めた、自動車の高電流アプリケーションへの要求に対応できる。

今後、同社では、H-PSOFのパッケージ技術を利用した40Vおよび30Vの自動車用MOSFETを発表する予定。