米Microsoftは2月末でのWindows StoreオープンとWindows 8ベータ版提供を予告しているが、複数の報道によれば、このベータ版は「Consumer Preview」と呼ばれるもので、現在提供されている「Developer Preview」が開発者やパートナーをターゲットにしていたのに対し、一般ユーザー向けの機能プレビューの意味合いが強いものになるという。

2月末のWindows 8ベータ提供と同時にオープンするとされるWindows Storeのイメージ

この件を報じているのはZDNet。その情報源はSupersite for Windowsにおける、米MicrosoftのWindows PR担当ディレクターのJanelle Poole氏の発言を引用したものだ。同氏はWindows 8の具体的なリリース時期については回答を断っているものの、次なるマイルストーンとして「Windows 8 Beta "Consumer Preview"」を提供する計画であるとしている。これが2月末での提供を予告されているWindows 8ベータ版とみられ、そのターゲットは現行の「Developer Preview」ではなく、より一般ユーザーからのフィードバックを主眼とした「Consumer Preview」になるようだ。

Windows 8の提供スケジュールが、以前のWindows 7に比べてやや遅れていることは多方面から指摘されている。もしWindows 7同様に秋の製品リリースで年末商戦に間に合わせる予定で、製品リリースまでのタイムラインも同様であると仮定すれば、2011年末の時点でWindows 8のベータ版が提供されていなければならなかった。だが、現状のスケジュールはそこからすでに2~3ヶ月はずれ込んでいるとみられており、Developer Previewで「Windows Store」をはじめとする重要なコンポーネントや機能のいくつかが実装されていないことが確認されていることを考えれば、Windows 8のリリースは少なくとも秋以降となる可能性が高い。

もう1つは、Windows 8での提供が予告されているARM版ソフトウェアがデモ紹介のみに留まっている点で、その実態がいまだ謎に包まれたままだ。おそらく、ARM版がx86/x64のバイナリと同時提供される可能性はさらに低く、秋以降のさらに遅い時期にずれ込む可能性が高いと考えられる。

スケジュール的な厳しさはみられるものの、Consumer PreviewとしてWindows 8の積極公開を行っていくことは、Microsoftが製品の完成度を高めることを主眼にしていることの現れであり、その意味では喜ぶべきことなのかもしれない。Developer Previewではタブレット中心の設計思想がみられ、若干デスクトップ環境での使い勝手が悪い印象を受けたが、この点の改良や新機能追加など、Consumer Previewならではの何かを体験させてくれることに期待したい。

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