阪神電気鉄道と近畿日本鉄道、山陽電気鉄道はこのほど、3月20日に実施するダイヤ改正の概要を発表した。阪神なんば線を通じて相互直通運転を行う列車の利便性向上が図られるほか、近鉄では一部列車の運行見直しが行われる。

阪神なんば線、平日昼間の快速急行がスピードアップ

阪神1000系は阪神なんば線や近鉄奈良線の走行にも対応した車両(写真は阪神本線走行時のもの)

近鉄と相互直通運転を行う阪神なんば線は2009年3月に開業。今年で開通3周年を迎える。

今回のダイヤ改正では、近鉄奈良線の大阪難波~大和西大寺・近鉄奈良間で運転されていた区間準急が平日昼間に阪神なんば線に乗り入れ、尼崎~大和西大寺・近鉄奈良間の運転に。これにともない、平日昼間における快速急行の停車駅が変更され、尼崎~西九条間の途中駅は通過。平均所要時分が約5分短縮される。

土休日には、朝の上りに新開地発近鉄奈良行の快速急行が登場(新開地発7時34分、7時55分、8時14分の3列車)。神戸市内から奈良方面への利便性が向上する。また、平日・土休日ともに、夜間に尼崎~近鉄奈良間で運転される快速急行の一部列車が三宮発着となり、三宮~近鉄奈良間の快速急行の最終列車が繰り下げられることに。

阪神なんば線を通じて相互直通運転を行う両社のダイヤ改正にともない、山陽電車においても現行ダイヤを踏襲しつつ、発着時間の変更などの部分改正が実施されるとのこと。

津駅停車の名阪特急が増加、大阪上本町発の区間準急も新設

近鉄のダイヤ改正では、大阪難波駅および近鉄名古屋駅を毎時0分に発車するすべての名阪特急が津駅に停車し、津駅では桑名駅、近鉄四日市駅、白子駅に停車する特急と接続する。

また、これまで土休日のみ京都~橿原神宮前間の特急が停車していた西ノ京駅に、平日昼間の特急も停車するようになり、京都~鳥羽・賢島間のすべての特急が五十鈴川駅に停車するなど、特急列車の停車駅の追加や増発も行われる。その一方で、京都~橿原神宮前間と京都~近鉄奈良間の一部特急が統合されて併結運転(京都~大和西大寺間の特急列車は削減)となるほか、京都~賢島間の特急や大阪阿部野橋~橿原神宮前間の特急が一部削減されるなどの運行見直しも。

一般列車においては、大阪線で平日と土休日の昼間に大阪上本町駅発着の区間準急(途中の鶴橋駅と布施駅に停車し、近鉄八尾駅以遠は各駅に停車)が新設され、名古屋線では近鉄名古屋~近鉄四日市間の急行を増発。一方、大阪線東青山~伊勢中川間や道明寺線、御所線、湯の山線、鈴鹿線で普通列車が削減され、他の線区でも急行や準急の一部が削減されるという。

なお、近鉄では2月下旬頃に発売する「近鉄時刻表」にて、ダイヤ改正後の時刻を発表。同社ホームページでも3月上旬をめどにダイヤ改正後の時刻を公開する予定となっている。