俳優のオダギリジョーが14日、東京・新宿バルト9で行われた、映画『マイウェイ 12,000キロの真実』の初日舞台あいさつに出席した。

左から、佐野史郎、夏八木勲、カン・ジェギュ監督、オダギリジョー、鶴見辰吾 拡大画像を見る

舞台あいさつには、オダギリのほか、キャストの夏八木勲、佐野史郎、鶴見辰吾とカン・ジェギュ監督が出席し、オダギリは「こんなに長い期間、1つの作品に関わることは無かったので、公開されて感無量。脱力しかけてます。皆さんの力でこの作品が育っていければ」とあいさつ。カン・ジェギュ監督は「戦争映画をどうしたら女性に観てもらえるかを考えて、日本と韓国の両方で好かれてる俳優2人をキャスティングしたら大成功だった」と冗談を交えながらも、「日韓のスタッフ、キャストが長期間同じ想いを持ってベストを尽くした。日本人、韓国人は本当に心を開いて歩み寄れているのか。この映画がきっかけになって、本当の友人になれれば」とアピールした。

韓国映画が大好きだという夏八木は「漫画みたいな絵コンテがキャストやスタッフ全員に配られて、分かりやすく実に能率的。日本の我々も見習わなきゃ」と感心した様子。撮影は主に極寒の韓国で行われたそうで、鶴見は「日の丸を背負っているようだった。寒い過酷な撮影で、血糊でパンツもびっしょり。文句を言ったら日本の恥だと思って我慢しました」と苦労を語ると、オダギリも「撮影は大変でしたね。ソ連軍に吊り下げの罰を受けるシーンがあるんですが、監督に『ふんどし一丁でやりたい』と言われて……。裸にされて辛い状況というのは理解出来ましたが、日本人は笑っちゃうでしょ(笑)。まず、ドンゴン氏がNGだと思ったので強くお断りしました」というエピソードを明かし、「これからは、ある程度過酷な台本でも乗り越えられる気がしますね」と自信をのぞかせた。また、イベントではオダギリからカン・ジェギュ監督にスニーカーがプレゼントされると、「アメリカにいる長男が、撮影前に色違いで全く同じものをプレゼントしてくれて……今、鳥肌が立ちました」と偶然に驚いていた。

映画『マイウェイ 12,000キロの真実』は、1928年、日本占領下の朝鮮で出会った日本人の長谷川辰雄(オダギリ)と朝鮮人のキム・ジュンシク(チャン・ドンゴン)の物語。2人は走る事が好きでオリンピックを夢見るが、時代は国籍の違う2人の友情を引き裂く。彼らは日本、ソ連、ドイツの3つの軍服を着て、朝鮮からノルマンディーまで12,000キロにも及ぶ戦いに身を投じることになるが――という実話を基にしたストーリーで、監督は『シュリ』、『ブラザーフッド』で知られるカン・ジェギュが務める。映画は全国公開中。