Freescale Semiconductorは、同社のXtrinsic(エクストリンシック)センシング・プラットフォームの新製品として、抵抗膜方式によるジェスチャ認識および静電容量方式タッチセンシング技術を1チップ化した「CRTouch」を発表した。

同製品は、静電容量方式のタッチ機能に加えて、静電容量方式パネルの利用が困難な業務や環境に適した抵抗膜方式パネルのジェスチャ認識機能を備えている。

抵抗膜方式のタッチパネルは、導入コストが低くて済むため、あらゆるアプリケーションでのユーザー・エクスペリエンスの向上においてすぐれたオプションとなる。さらに、スライダー、ロータリー、2点検出マルチタッチによるズーミングなどの複雑な検知も可能だ。また、抵抗膜方式のパネルは、医療、気候、または安全上の理由から手袋の装着が必須である条件での代替手段として有効である。

静電容量方式と抵抗膜方式を統合することで、面倒なハードウェアやパネルの変更を伴わずにジェスチャ認識を実装することが可能であり、ユーザーはタッチセンシング技術がこれまで導入されていなかった市場で、すぐに利用できる低コストのソリューションにより先進のユーザ・インタフェースを開発できると同社では説明しており、制御パネル、ヒューマン・マシン・インタフェース(HMI)、従来のキーボードの代替、自動車、POS端末、電子署名認識機器、およびキオスク端末をはじめとするアプリケーションへの応用が期待されるとしている。

5mm×5mmの32ピンQFNパッケージのチップを装着するだけで、ユーザーのシステムに最大で4個の静電容量方式の電極が実装できるほか、プラットフォームとしての機能は、標準的なX-Y式の抵抗膜タッチパネル検出、およびオプションとして抵抗膜パネルの校正と圧力の検出。また、ジェスチャ検出の機能は、2本の指のスライドによるピンチインとピンチアウト、および2本の指による回転で、これらは、いずれもタッチパネルから独立した4個の静電容量電極で処理され、I2CとUARTのプロトコルで通信が実行される。ユーザーによるパネル解像度の設定も可能となっている。

同製品は、Tower SystemのLCD開発ボードに同梱して提供し、2012年第1四半期のサンプル出荷を予定している。価格は85ドルとなっている。

また、LinuxおよびAndroid用のドライバ・ソフトは、無償提供のデモ用グラフィック・ユーザ・インタフェース(GUI)およびFreescaleのPEGグラフィック・ライブラリ・サンプルとともに同社Webサイト上にて提供される予定。