Firefox web browser - Faster, more secure & customizable

Mozillaは、Firefoxの新バージョンを6週間おきにリリースする短周期リリースモデルへ移行させた。その結果、従来よりも短期間で、新機能やセキュリティフィックスを多くのユーザに届けることができるようになっている。

6週間おきにメジャーアップグレードを実施するこの方法は、もともとGoogle Chromeが採用している方法で、リリース頻度の差はあるが、ほかのブラウザも周期を短縮化する方向へ動いている。

コンシューマユースでは、こうした短周期リリースと強制アップグレードの方法は便利なものだが、企業ユースとしては相性が悪い面もある。企業ユースでは、システム導入に何週間も検証期間を設けることもあり、6週間おきのリリースでは検証や導入が追いつかないことになる。

Mozillaは、企業での用途にも対応するため企業ワーキンググループにおいて対策を協議。そして今回、企業向けの案がまとまったとして、その内容が報告された。Mozillaが提案する企業向けFirefox「Firefox ESR」のリリース計画は、次のようなものとなる。

  • 年に1回、メジャーアップグレードを実施する
  • 6週間に1回、最新安定版のリリースに合わせてセキュリティアップデートを実施する
  • 互換性の維持を重視し、機能の変更などをともなう変更は実施しない

サポート期間が1年となり、最初の案よりも長期間のサポートを実施する案が採用されたことになる。この「1年」でも短いとみる企業ユーザーは多いと見られるが、6週間おきのメジャーアップグレードと比較すると、現実的な道が開かれたといえる。なお、この案はThunderbirdにも適用される。

企業ユースではInternet Explorer(IE)が高いシェアとなっているが、IEも短周期リリースへの移行が検討されている。ただしマイクロソフトは、IEそれぞれのバージョンのサポート期間は従来通りとしており、企業ユースには影響がないと説明している。

サポート期間の延長は企業ユースには適したものとなるが、この結果、利用されるブラウザが多くのバージョンへ分断化する可能性がある。バージョン分断化は、WebアプリケーションやWebページの開発や制作において懸念材料になることも考えられ、今後の動向が注目される。