本記事では一年間の総括の意味も込め、クリエイティブ関連の話題を中心に、2011年印象的だったニュースをお届けする。

東北地方太平洋沖地震

まずお伝えしなければならないのが、3月にあった東北地方太平洋沖地震。かつて経験したことのないあの災害は、クリエイティブに携わる方々に少なからず影響を与えたのだと思う。震災直後には様々な復興プロジェクトがクリエイティブ業界を牽引するトップリーダーのかけ声から生まれた。マイナビニュースでは、Soup Stock Tokyoの開発・運営を行っているスマイルズ代表取締役社長 遠山正道氏、アートディレクター 森本千絵氏、イラストレーター 大塚いちお氏が起ち上げた「節電ポスター」の話題をお伝えした。

森本千絵らのデザインした節電ポスター公開 -東北地方太平洋沖地震

Soup Stock Tokyoの開発・運営を行っているスマイルズ代表取締役社長 遠山正道氏、アートディレクター 森本千絵氏、イラストレーター 大塚いちお氏が起ち上げた「節電ポスター」

このほかにも、ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルからジョン・レノンやU2、レディー・ガガ、マドンナ、エルトン・ジョンといった全世界のトップ・アーティスト37組のヒット曲が収録されたチャリティ・アルバム『SONGS FOR JAPAN』が発売されるなど、海外からも復興支援が寄せられた。

スティーブ・ジョブズ氏死去

日本時間10月6日午前、米Apple社から創業者で前CEO、現会長のスティーブ・ジョブズ氏が亡くなったとの発表があった。

Apple創業者スティーブ・ジョブズ氏が死去

特設サイト「Remembering Steve.」

本人なき後受賞したグラミー賞特別功労賞受賞からも分かる通り、IT・PC業界のみならず、エンターテインメント業界、音楽業界など幅広く世界に影響を与えた。これからも語り継がれる存在であり続けるだろう。いまも特設サイト「Remembering Steve.」には多くのファンからのメッセージが寄せられている。

ワコム、デジタルスケッチペン「Inkling」発売

Intuos、Cintiq、Bambooシリーズなどのペンタブレット製品の老舗メーカーとして知られるワコムから新たに発売されたデジタルスケッチペン「Inkling」。紙にペンで描いたスケッチなどを素早くデジタル化し、クリエイティブ制作に利用できる新しい入力ツールである。

話題のワコム製デジタルスケッチペン「Inkling」、その使い心地は??

ワコムのデジタルスケッチペン「Inkling」

特にユーザーから評判だったのが、1024レベルにおよぶ高感度の筆圧感知機能。紙にボールペンで描いたスケッチの形状だけでなく、その線形までを含めた正確なニュアンスを、そのままデジタルデータとして取り込みが可能だ。

アドビ、モバイルブラウザ向け「Flash Player」開発中止

アドビ システムズは、モバイル機器のブラウザ向け「Flash Player」開発をバージョン11.1のリリース後に中止し、HTML5のイノベーションを推進すると発表した。さまざまなモバイルプラットフォーム向けコンテンツの作成や展開にHTML5が最善のソリューションだとして、それぞれの企業のモバイルブラウザに利用可能なHTML5のイノベーションを推進するという。

アドビ、モバイル機器ブラウザ向け「Flash Player」開発中止--HTML5推進へ

アドビ システムズは、モバイル機器のブラウザ向け「Flash Player」開発をバージョン11.1のリリース後に中止する

モバイル機器向けFlash Playerは、AndroidおよびBlackBerry PlayBook向けに予定しているバージョン11.1のリリース後に開発を中止。既存の端末構成に関する重要なバグ修正やセキュリティアップデートは、これまで通り継続する。今後のモバイル機器向けFlashに関しては、Flash開発者がAdobe AIRを通じて、appストア向けネイティブアプリケーションをパッケージ化できるように取り組む。Webクリエイターにとって、アドビ社の今後のリリースは来年も目が離せない。

アドビ、製品をサブスクリプション形式で提供開始

アドビ システムズは2012年上半期に、ソフトウェア製品やサービスを年間契約のサブスクリプションで利用可能にするクラウドサービス『Adobe Creative Cloud』の提供を開始することを10月のイベント『Adobe MAX 2011』で発表した。同社は、市場の変化はさらに早くなっていることから、一定サイクルのバージョンアップではなく、市場が求める最新のテクノロジーを提供するのにサブスクリプション制が適していると判断した。

情報発信のモバイル化に対応する「Adobe Creative Suite 5.5」日本語版

アドビ システムズは2012年上半期に、ソフトウェア製品やサービスを年間契約のサブスクリプションで利用可能にするクラウドサービス『Adobe Creative Cloud』の提供を開始することを発表した

ソフトウェア製品のアップグレードについて、次期バージョンからは過去の主要1バージョンのみをアップグレード対象にすると発表しているため、『CS4』以前のアドビ製品を利用している読者の方々への影響は決して小さくないと思われる。