ヒストリーチャンネル「日本の古城を巡る旅」で大河ロマンを堪能しよう

ドキュメンタリー番組を毎月数多く放送している歴史エンタテインメント専門のCS放送局「ヒストリーチャンネル」の2012年1月のラインナップがこのほど、発表された。「特集:日本の古城を巡る旅」、「ミリタリー特集:戦闘機大百科」、新シリーズ「SFが現実になる日」、そして年末年始の一挙放送「2011ベストセレクション」の4本が予定されている。歴史からSFまでを網羅した魅力的なプログラムが目白押しだが、今回はこの中から「特集:日本の古城を巡る旅」の内容を紹介していこう。

「特集:日本の古城を巡る旅」

(C)「司馬遼太郎と城を歩く」製作委員会 姫路城

日本の長い歴史の中で建造され、現代では観光スポットとして人々を魅了し続ける日本の城。今回の「特集:日本の古城を巡る旅」では、名城と呼ばれる城を分析し、戦乱の世を生き残ってきた「城」を徹底解明。また、城にまつわる謎に迫った新シリーズや、日本を代表する作家・司馬遼太郎の小説の舞台となった日本の名城、さらに国宝や重要文化財に認定された城などを様々な切り口と角度からその魅力を伝えていく。

「戦いの城」2012年1月14日(土)ほか

(C)熊本城総合事務所 熊本城

かつて日本には3万から4万もの城が存在していたと言われ、戦の絶えなかった戦乱の世において「城」は居住地、政治的拠点、攻守の要と様々な役割を担っていた。強い城を持てるかどうかは君主のみならず、城下町に住むすべての民の運命を左右するカギであった。このプログラムでは、現在天守閣のある大阪城、姫路城、熊本城と3つの名城を中心に、各城郭の時代背景、築城エピソード、構造上の秘密を現地資料、証言、仮説などから多角的な視点で分析。元はシンボルとしての「城」が、どう「戦う建造物」に成りえたのか。その歴史を追体験できるプログラムとなる。

「坂東三津五郎がいく 日本の城 ミステリー紀行」2012年1月10日(火)~13日(金)ほか

「坂東三津五郎がいく 日本の城 ミステリー紀行」松本城

そして、日本の城は悠久の歴史を見届けてきた歴史の証人である一方で、また多くの謎も残されている。例えば徳川幕府15代、260年続いた太平の世を象徴する江戸城。幻の城となってしまったが、3代目将軍・徳川家光の時代には、天守は史上最大、今でいう15階建てのマンションに匹敵するほどの超高層建築に改築され、歴史的に見ても実際に人が登ることができた日本史上最も高い木造建築物だったという。この「日本の城 ミステリー紀行」では、「城」をテーマにそれにまつわる歴史や武将たちの謎、合戦ドラマやミステリーにフォーカスしながら、史料や証言、CGなども駆使してその謎に迫る。ナビゲーターを務めるのは、日本の「城」観賞が趣味の坂東三津五郎。高知城、姫路城、彦根城、松本城、犬山城、松山城、そして江戸城と、今もなお語り継がれる名城の謎を解き明かしていく。

「司馬遼太郎と城を歩く」2012年1月9日(月)一挙放送

(C)「司馬遼太郎と城を歩く」製作委員会 大阪城

書き残した作品の数は小説・エッセイにとどまらず、ゆうに200を超える日本を代表する作家・司馬遼太郎。中でも「司馬史観」と呼ばれる独自の歴史観に基づいて執筆された歴史小説は、文壇に新たな風を送り込んだと評価され、現在でも多くの人々に愛され続けている。小説の舞台は激動の戦国時代や変革の明治維新といった時代が多く、そこに綴られた人間の生き様が時代を経てもなお読者の共感を呼ぶのは、彼の時代を読む鋭い洞察力と豊かな表現力の賜物といっていいだろう。番組では、丁寧な取材によって主要な名城を網羅し、各城の特徴や時代背景等の基本情報を押さえて、司馬遼太郎の小説を部分的に引用しながら紹介。全32話×各15分。林立するビルに囲まれながら、時代の息吹をそのままに留め、そこに生きた人々の生き様を写す歴史的建造物――日本各地に残された名城の数々を「司馬史観」に重ね合わせながら、その美しさに迫る。

「栄華を極めた名城」2012年1月7日(土)・8日(日)ほか

犬山城

城のシンボルともいえる「天守」が現存し、国の重要文化財に指定されている名城は、全国でも8ヶ所のみ。この番組では、国宝である姫路城、松本城、彦根城、犬山城のほか、重要文化財に認定された名城から弘前城、丸亀城、松江城、高知城と計8つの城を美しいハイビジョン映像で紹介する。日常の慌ただしさからしばし離れ、全8話から構成される壮大かつ美しい景観に酔いしれるのもいいかもしれない。第1話は姫路城。ちなみに姫路城が別名「白鷺城」と呼ばれるゆえんは、城が「鷺山」に建てられたこと、城壁が白漆喰で塗られていること、「白鷺」と呼ばれる鳥が住んでいたこと、黒い壁から「烏城」と呼ばれた岡山城との対比など諸説あるという。

「ヒストリーチャンネル」では、この他にも計19本からなる「ミリタリー特集:戦闘機大百科」、全6話で展開される新シリーズ「SFが現実になる日」、年始の1月1日~6日には「2011ベストセレクション」を放送予定。正月ボケからなかなか抜け出せない年始は、ヒストリーチャンネルが自信を持ってお届けするこれらのプログラムを見て、思い切り悠久の歴史の中に身を委ねてしまうのもいいだろう。