東芝とIHIは12月22日、可搬型の放射能汚染水処理システム「SARRY-Aqua」を共同開発したと発表した。東芝は本装置を使った活動について、2012年1月から中央官庁や地方自治体などと協議を開始する。

同装置は、福島第一原子力発電所で稼働する汚染水処理装置「SARRY(サリー)」を小型化したもの。低濃度の汚染水をポンプで汲み上げ、吸着材が入った容器の中で汚染水から放射性セシウムを除去する。

セシウムなどの放射性物質を取り除くための吸着材を格納する容器内部には遮へい体を設置しており、装置周辺の放射線量と作業員の被ばくを低減する。

汚染水処理装置「SARRY-Aqua」

処理能力は、汚染水1トンを1時間で処理することができ、処理した水の放射性セシウムの濃度は、10ベクレル/キログラム以下にすることが可能。さらに、処理装置をトラックに積載することで移動が可能となり、さまざまな場所で放射性セシウムを含んだプール水や農業用水、除染で発生した水などの処理を実現する。