Mozillaは12月21日、Webブラウザの最新版「Firefox 9」をリリースしたと発表した。Windows、Mac、Linuxのデスクトップ版、およびAndroid版が用意されている。

最大の特徴は、JavaScriptエンジン「SpiderMonkey J」に型推論技術が導入されたこと。最大30%の高速が達成されているという。

JavaScriptベンチマークの実行結果

また、Mac OS X Lionでは、2本指スワイプジェスチャーに対応したほか、複数モニタ使用時の利便性を改善、Lionのアイコンやアプリケーションツールバーのスタイルに合わせたUIに改良といった変更も加えられている。

加えて、Web開発者向けにXMLHttpRequestの分割処理に対応したことも発表。ダウンロードが完了するのを待つことなく、ダウンロードされたデータを順に表示させられ、特に大容量データをダウンロードしたりAjaxを使ったりしたサイトで、読み込みを高速化させることが可能になっている。

一方、Android版では、タブレット端末を意識し、UIを一から再設計している。Firefox SyncでPC版などと環境を同期可能なうえ、ブックマーク、履歴、開いているタブに簡単にアクセスできる。アクションバーには戻る、進む、ブックマークボタンを配置。ブックマークではWebサイトのアイコンを表示し、タッチしやすいUIになっているという。

Android版のUI

Androidアプリ開発者向けの新機能としては、HTML5のinput要素からAndroid端末のカメラにアクセスできるようになったこと、HTML5のフォーム検証APIに対応したことが挙げられている。フォーム検証APIでは、ユーザーがフォームに入力した数字、メールアドレス、URLなどの値が適切かどうかを自動的に判定することができる。