米Microsoftは12月21日(現地時間)、2012年を最後に国際家電ショー「International CES」の基調講演とブース展示から撤退することを明らかにした。CES開催期間(毎年1月上旬)に製品開発スケジュールを合わせられるとは限らないためで、より効果的に製品を披露できるタイミングを重視し、CESの表舞台から退くことを決めた。

International CESは、毎年1月上旬に米国で開催される北米最大の家電製品のトレードショーである。初日前日夜に行われる特別基調講演は、テクノロジ産業の年明けを飾るイベントとして注目される。その基調講演をBill Gates氏が11年間、そしてSteve Ballmer氏が3年間と、過去14年間をMicrosoftが担当してきた。同社はまた、セントラルホールの入り口近くにInternational CESを彩るような巨大なブースを設けてきた。そのどちらも来年の「2012 International CES (2012年1月10日-13日)」が最後になる。ただし完全撤退ではなく、International CESに出展するパートナーのサポートを含めて、引き続きCESには関与していくという。

2011 International CESの基調講演でKinectを語るSteve Ballmer氏

今回の決断について、Microsoftのコーポレートコミュニケーション担当のCVPであるFrank X. Shaw氏は「われわれの産業は動きが速く、そして急速に変化する。われわれが顧客とコミュニケーションをとる方法も同じように素早いものに変えていかなければならない」と語っている。特にInternational CESの場合は年末商戦が終わった直後の開催であり、その年の9月商戦や年末商戦向けの製品や技術を披露するには早すぎるタイミングである。Microsoftは今年11月にニューヨーク市でWindows Phone 7.5スマートフォンの特別イベントを開催した。そうした自社イベントを適切なタイミングで開催することに加えて、FacebookやTwitter、Microsoft.comで情報を発信し、さらにリテールストアも拡充していく。

Microsoftに限らず、近年テクノロジー企業が大型トレードショーでの製品発表を敬遠する動きが顕著になっている。Webサイトとリテールストアを通じた直接的な情報発信に力を入れ始めていたAppleも、2009年を最後にMacworld Conference & Expoから撤退した。