Androidに比べて機能やトレンドのキャッチアップが遅いとみられているMicrosoftのWindows Phoneプラットフォームだが、実際には表立ってその動きが知られていないだけで、内部的には着実に進化を続けているのかもしれない。例えば非接触通信技術として注目を集める「NFC (Near Field Communications)」は、今秋にリリースされたWindows Phone 7.5 (Mango)ですでにソフトウェア的な対応が行われており、あとはハードウェアメーカーの対応を待つだけの状態だという。

同件を報じているのはTechRadarだ。同誌によれば、Microsoft UKのデベロッパーエバンジェリストで製品マネージャのWill Coleman氏の話として、MicrosoftはMangoのOSリリースのタイミングですでにNFCをサポートしており、あとはOEM各社がハードウェアを実装するだけで対応できる状態だという。つまり、WP7でのNFCサポートは時間だけの問題であり、OEM側が望みさえすればすでにソフトウェア的な実装は完了しているとのことだ。

これはWindows Phoneプラットフォームに対する見方を変える一方で、新たな懸念にもなる。例えば、スマートフォンへのNFC実装で積極的なNokiaやSamsungといったメーカーは、自身がリリースするWindows Phone 7端末でNFCモジュールを搭載していない。Nokiaは先日Lumia 710/800といったWP7端末をリリースしているが、もし同社がNFCサポートの意向があったとしてもこれら端末ではNFCサポートが行われず、今後リリースが噂されるLumia 900などのハイエンド端末にサポートが持ち越される可能性が考えられる。その場合、端末の買い控えなどの懸念が出てくるだろう。ソフトウェアの変更では済まない部分のため、悩ましいところではある。

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