台湾Digitimesが業界筋の情報として伝えるところによれば、2011年第4四半期におけるiPhone 3GSのOEM生産台数は200万台で、2012年第1四半期の数量は140-160万台程度が見込まれるという。iPhone 3GSというと2年半前にリリースされた型落ち品だが、海外では0円端末として安価に販売が行われており、Appleではこれを利用してローエンド市場開拓を狙っているようだ。

日進月歩の携帯電話業界でiPhone 3GSという2世代以上前のモデルの話が出てくること自体驚きだが、それがさらに四半期あたり200万台規模で生産され、市場拡大戦略の原動力として現役だという点で驚愕せざるを得ない。つまり、現在市場で販売されているiPhone 3GSは在庫処分品ではなく、新たに生産されたモデルということだからだ。今年第4四半期の生産台数が来年第1四半期のものよりも多い理由は、年末商戦にある。AppleのiPhoneは年末商戦を含む第4四半期に、通常の四半期の倍近いペースで製品が売れるため、この時期をターゲットにした製造ボリュームが一時的に増加することによるとみられる。

Digitimesによれば、旧モデルとして出荷されているのはiPhone 3GSとiPhone 4で、ともに8GB。OSにはiOS 5がプリインストールされており、ハードウェアやデザインが旧式な以外は、機能的には新しいものとなっている。米国のAT&Tでは、最新のiPhone 4Sが2年契約縛りで199ドルで販売されているが、これがiPhone 4では99ドル、iPhone 3GSは無料となっている。日本では最新iPhoneでも割賦を利用することで本体が0円となるため馴染みが薄いが、旧モデルのiPhone 3GSは卸値も安いとみられ、これを利用して回線契約の販促ツールとして用いられているようだ。

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