昭和電工は、同社川崎事業所で進めてきたリチウムイオン2次電池(LIB)向け正負極添加剤「VGCF(Vapor Grown Carbon Fiber)」の製造ラインの増強工事を完了したことを発表した。これにより、生産能力は100トン/年から200トン/年へと倍増されることとなる。

同添加剤は、LIBの正極材・負極材に少量添加することにより、大型LIBに求められる高容量化、や長寿命化、加えて安全性の向上に寄与する導電補助剤で、2013年以降に本格的な市場拡大が見込まれる自動車や蓄電池用途などの大型LIBへの対応を図るために、今回の設備投資は進められてきた。

なお、同社はVGCFのほか、負極材「SCMG」、電池包材用アルミラミネートフィルムなどをLIB向け部材として取り揃えており、今後伸長する需要に対応するため、順次生産能力の増強を図っていく計画としており、グループ全体でLIB向けを中心とした電池関連部材において、2015年には300億円以上の売り上げを目指すとしている。