YaCy is a free search engine.

11月28日(ドイツ時間)、長らく開発段階にあった検索エンジンYaCyの初のメジャーバージョンとなる「YaCy 1.0」が公開された。YaCyは現在主流の中央集権型検索エンジンと異なり、P2P技術を活用して実装されているという特徴がある。600を超えるピアオペレータが参加し、すでに14億ドキュメント、日に13万検索クエリを処理しているという。

YaCyでは検索リクエストはどこにも保存されず、共有インデックスの検閲も不可能な仕組みになっている。中央集権的な検索エンジンでは実現不可能な、こうした検閲が困難な仕組みを実現することもプロジェクトのひとつの目的となっている。

Windows 7にインストールしたYaCyでの検索例

ブラウザから豊富な管理を実施できるのも特徴のひとつ

ネットワークの可視化

パフォーマンスモニタリング

サーバアクセス可視化

Javaのプログラムとして実行されているものがYaCyの本体

YaCyはグローバルな検索エンジンとしても利用できるが、イントラネット内に閉じた検索網の構築にも利用できる。ソフトウェアそのものはGPLv2のもとで公開されている。システムはJavaで構築されており、検索や管理などはブラウザを通じて実施する仕組みになっている。

これまでも検索エンジンはいくつも発表されてきているが、YaCyはP2P技術をベースに構築され、検閲が難しい仕組みになっていること、イントラネットに閉じた専用の検索網の構築を簡単に実施できること、ソフトウェアがGPLv2のもとで公開されており利用しやすい状況にあること、などが注目に値する。