NXP Semiconductorsは、USBクラスドライバを内蔵するARM Cortex-M0プロセッサベースのマイクロコントローラ(マイコン)「LPC11U2xシリーズ」を発表した。

同製品はROM内の統合された複数のUSBドライバにより、フラッシュメモリを最大限に利用できることに加えて、テスト済みの簡単で使いやすいAPIにより短時間でUSBを統合でき、かつコードスペースを最大16KB節約することが可能だ。

拡張可能なオンチップのUSBドライバには、ヒューマン・インタフェースデバイス(HID)、マス・ストレージデバイス・クラス(MSC)、コミュニケーションデバイス・クラス(CDC)が含まれているほか、同社のオープンソースUSBライブラリにより、さらに機能を拡張することが可能だ。また、Cortex-M0コアを補完する、オンチップの32ビット割り算ライブラリもROMに内蔵されており、このROM内の割り算ライブラリは決まった固定サイクルタイムで割り算を実行することが可能となっている。

主な仕様としては、最高クロックスピードは50MHzで、最大SRAM10KB、最大フラッシュ32KB、最大EEPROM4KBとなっており、パワーオンリセット(POR)やマルチレベル電圧低下検知(BOD)、USB専用の位相ロックループ(PLL)などの機能のほか、シリアルペリフェラルとして、スマートカードインタフェース/UART対応USART、SSP×2、I2C(FM+)などを備えている。

同社は併せて、同マイコンなどを活用するカスタマ向けにUSBベンダID(VID)のサブライセンスと無償でのプロダクトID(PID)を提供するグローバルプログラムの導入も発表した。同プログラムは、USB製品開発者の初期費用の削減につながるものだと同社では説明しているほか、USBインプリメンターズ・フォーラム(USB-IF)認証を提供することで、各々の設計がUSB仕様に準拠し、既存のUSBソリューションと相互接続可能であることを保証することが可能になると説明している。

このほか同社とARMは、Cortex-M0上でのUSB開発を容易にするため、ラピッドプロトタイピングツール・プラットフォーム「mbed」をLPC11U2xにまで拡張したことも発表している。この「mbed NXP LPC11U24マイクロコントローラ・ボード」は、軽量のオンラインコンパイラおよびC/C++マイクロコントローラ・ソフトウェア開発キットの拡張により対応が図られており、数行のコードを記述するたけでUSBデバイスを開発できるようになるという。

なお、同製品はすでにサンプル出荷を開始しており、24KBフラッシュ、8KB SRAMおよび1KB EEPROMを搭載した「LPC11U23FBD48/301(48ピンLQFPパッケージ)」の推奨価格は、1万個で1.53ドルとなっている。32K~128KBの高容量オプションについては、2012年第1四半期よりサンプル出荷が開始される予定である。

Cortex-M0ベースのマイコンにUSBクラスドライバを内蔵した「LPC11U2xシリーズ」