トヨタ自動車は11月28日、ヒトとクルマと社会が"つながる"近未来を想定したコンセプトカー「TOYOTA Fun-Vii(ファン ヴィー)」を発表した。11月30日から(一般公開は12月3日から)東京ビッグサイトで開催される「第42回東京モーターショー2011」に出展する。

Fun-Viiの発表を行ったトヨタ自動車 取締役社長 豊田章男氏

Fun-Viiは、「FUN TO DRIVE, AGAIN.」の考えのもと、クルマの持つ「夢・楽しさ」をあらためて提案すべく開発されたコンセプトカー。「スマートフォンにタイヤを4つ付けたようなクルマがあっても面白いのではないか」(トヨタ自動車 取締役社長 豊田章男氏)という発想からボディ全面にディスプレイを搭載しており、発表会ではタッチ操作で設定を変更したり、データセンターと情報をやりとりするようなデモも披露された。

Fun-Viiの主な特徴としては、以下が挙げられている。

  • アプリケーションをダウンロードする感覚で、内外装の表示項目を自在に変更するパーソナライズ機能を搭載。ボディ色やデザインを自由に変更できるほか、情報端末としてメッセージ表示することもできる
  • 駆動系のほか、制御系、マルチメディア系の各種ソフトウェアを、ネットワーク経由で常に最新版に保つネットワークアップデート機能を搭載
  • 周辺の車両やインフラとつながることにより、交差点の死角にいる車両を事前に察知することや、友人の車両とコミュニケーションをとることが可能
  • 車内全体もディスプレイとなっており、雰囲気に合わせてインテリア表示を自在に変更できるほか、AR(Augmented Reality : 拡張現実)を活用したナビ情報等の表示が可能。また、走行などに必要な情報表示や操作は、「ナビゲーションコンシェルジュ」との対話形式インタフェースで実現。車両の一部操作には、スマートフォン等のモバイル端末も使用

デモでは、生体認証によりドライバーが認識された後、ボディのディスプレイをタッチして充電量の確認やリモート車両点検などを行う様子を披露。さらには、トヨタから車両に関する重要な通知をメールで受け取ったり、SNS上で友達から勧められたボディのデザインを1タッチで適用したりといったことシーンも演じられた。いずれもMicrosoftと共同開発している「トヨタスマートセンター」や、Salesforceと共同開発しているSNS「トヨタフレンド」と接続するかたちで実現する想定になっている。

デモの様子。まずは生体認証でドライバーを認識

Fun-Viiの情報操作メニューがボディのディスプレイに表示される

充電量の確認メニューを選択したときの様子。充電完了済みであることが通知されている

タブレット端末でSNSをチェックし、友人のお勧めボディデザインを選択。瞬時に車体に反映される

豊田氏は発表会で、「楽しくなければクルマじゃない」と繰り返し強調。コンセプトカーの開発にあたっては「エモーショナルな存在であること」に最後までこだわり抜いたと説明した。

なお、Fun-Viiの大きさは、全長4,020mm、全幅1,745mm、全高1,415mm、ホイールベース2,750mm。乗車定員は3人となっている。