大西祥平「小池一夫伝説」

大西祥平が2004年より映画雑誌・映画秘宝(洋泉社)にて連載していた評伝「小池一夫伝説」が単行本化。本日11月28日に洋泉社より発売された。

「小池一夫伝説」では、小池が原作者としてさいとう・たかをの元でデビューした時代から、青年誌の乱立とともに多数の作品を描き分けた70年代以降、そして現在に至るまで、マンガ原作者としてのキャリアの全貌を明らかにしていく。

またこれまで語られることの少なかった幼年期や修行時代、「子連れ狼」「クライングフリーマン」「修羅雪姫」といったヒット作の裏話や知られざる名作の紹介、マンガやキャラクターに対する考え方などを分析。タッグを組んだ作画家や当時の編集者、映画関係者へのインタビューも収録された。

「小池一夫伝説」目次

第1章 『ゴルゴ13』と小池一夫──原作者への道

知られざる“雀ぶらあ”時代/原作者として、さいとう・プロダクションへ

第2章 『子連れ狼』とその時代──驚異のヒット・メーカー誕生

ブームを呼ぶ『子連れ狼』/痛み半分のヒーロー、『御用牙』の咆吼/作家の集合体──スタジオ・シップの設立/消えた小池版『ハルク』/アメリカに対するオピニオン『性病部隊』/『I・飢男(アイウエオボーイ)』の終わらない旅/『忘八武士道』の虚無世界/“昭和の絵師”と『修羅雪姫』/血しぶき説法『首斬り朝』/暴力の向こう側──『ザ・テロル』の狂気/

第3章 マンガの“夫”として──ヤング誌の隆盛

『実験人形ダミー・オスカー』の超絶世界/ブームの前のゾンビ譚『少年の町ZF』/ヤング誌の隆盛と『花平バズーカ』/『傷追い人』と「スピリッツ」の時代/『クライングフリーマン』涙の行方/少年誌のシフトチェンジともに『ズウ─青春動物園─』『ラブZ』/骨太マイノリティ・ヒーロー『マッド★ブル34』/黄金コンビのそれから

第4章 そして伝説へ──2000年代の小池一夫

『弐十手物語』『上ってなンボ』の四半世紀/『オークション・ハウス』と小池ロジック/そして伝説は続く