NHK出版は、米国のメディア / テクノロジー関連で高い人気を誇るブログのひとつ「BuzzMachine.com」を運営し、世界経済フォーラムにおいて過去二度にわたり「世界のメディア・リーダー100人」の1人に選ばれたジェフ・ジャービス氏による著作「パブリック~開かれたネットの価値を最大化せよ~」を11月26日に発売する。定価は1890円。また、監修・解説はインフォバーンCEO 小林弘人氏。

FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアの普及によって人々のつながりやシェアが加速する現在、どこまで情報をオープンにするべきか、何をさらけ出すべきかという、インターネットへの公開性の問題にぶつかる人や企業は少なくない。インターネットでの「炎上」も珍しいことではなくなってきている。

しかし、ジェフ・ジャービス氏はオープン化のリスクばかりに目を向けていると、公開と共有によって得られる大きなチャンスを失うと提言。同書は、公開と共有によってできる集合知から生まれる新しいインターネットの価値を最大化するための考え方と、公開するかしないかを自身でコントロールすることの大切さ、そしてパブリックの原則を豊富な事例から解説する内容という。

同社では、同著の発売にあたり、Twitter・Facebook両方のアカウントを持つ首都圏在住の20歳から59歳までの男女989人を対象に、「インターネットへの情報公開」についてインターネット意識調査を実施し、その結果も発表している。

発表によると、インターネットへの情報公開について、「さまざまな情報がオープンになっていくことに対してどう捉えているか」という質問に対して、「肯定的」「どちらかというと肯定的」が合わせて約7割に達するとしている。この傾向は世代間の差は大きく見られず、情報のオープン化に対して全体として肯定的であるといえる。

Twitter・Facebook などによって、さまざまな情報がオープンになっていくことについてどうとらえていますか。(SA, n=989)

インターネットへの情報公開に関しては世代ごとの意識の差は特に見られなかったものの、「オンラインに公開する自身の情報をうまくコントロールできていると思いますか」の問いに対しては、若い世代ほど自信があるとの回答になっている。50代と比較すると、「自信がある」と回答した20代は約2倍になる。

オンラインに公開する自身の情報をうまくコントロールできていると思いますか。(SA, n=989)

全体の約8割以上が自身の情報コントロールに関して「自信がある」「できていると思う」と回答した一方で、Twitter・Facebookに投稿して後悔したことがあるかという質問には、「ある」と答えた利用者が約2割いる。

TwitterやFacebookに投稿した内容について後悔した経験はありますか。(SA, n=989)

自由回答では、「思いがけず人を傷つける発言をしたとき」「映画の批評をしたら、その作品の大ファンな子が身近にいた。軽はずみにすべきではないと思った」など、何気ない一言や友人・知人など近しい人達への批判を投稿したことを後悔する声が多く見られたという。