「中国のような検閲が米国でも」- ネット関連企業がSOPAを危惧

11月16日(米国時間)に米下院で「Stop Online Piracy Act (SOPA:オンライン海賊行為防止法案)」の公聴会が行われたが、同法案の成立を危惧する声がネット関連企業やネットコミュニティの間から相次いでいる。

15日(同)にAOL、eBay、Facebook、Google、LinkedIn、Mozilla、Twitter、Yahoo!、Zyngaなどのネット関連企業が共同で、SOPAに異議を唱える書簡を提出。またMozillaが「Protect the Internet」というSOPAの問題を指摘するWebページを用意し、掲示板4chanがプロテストメッセージをサイト全体に掲載するなど、SOPAに反対する運動が急速に広がっている。

Mozillaの「Protect the Internet」

EFF、Free Software Foundation、Creative Commons、Mozillaなどで組織された「American Censorship Day」に4chanも参加

SOPAは著作権を侵害する米国外の悪質なWebサイトを撲滅することを目的とした下院法案で、米商工会議所、米映画協会 (MPAA)、米監督協会、米音楽家連盟などがサポートしている。同法案に異議を唱えたネット企業は書簡の中で「法案の目的は支持する」と不正サイト撲滅に理解を示した上で、「起草された法案は、法を遵守する米国のインターネット/テクノロジ企業を、不確かな法的責任や民事訴訟のリスク、Webサイト監視の義務づけなどに直面させる」と指摘している。

SOPAのターゲットが悪質なサイトに限定されているとしても、その影響は広範に及ぶ。Mozillaによると、悪質なサイトといくつかのリンクで結ばれるだけで、合法的なサイトがサイト全体の検閲を受けたり、悪質なサイトと共に問題のないコンテンツまでブロックされる可能性があるという。「米国は、中国、イラン、シリアなどで用いられるのと同じWebサイトの検閲方法を導入し、Webサイトのトラフィック、広告トラフィック、検索トラフィックなどをブロックできるようになる。侵害行為の報告を基に、米国の内外を問わず私たちが日常的に利用しているWebサイトがブロックされる」(Mozilla)。その影響は米国にとどまらない。電子フロンティア財団(EFF)は「インターネットの構築に尽力するエンジニアたちが警告しているように、SOPAがドメインネームシステムに干渉することでインターネットにほころびが出る」と指摘している。

SOPAを支持しているエンターテインメント産業は、著作権侵害が米国経済を弱体化させる要因の1つになっていると主張するが、全米家電協会 (Consumer Electronics Association:CEA)は「米国のビジネスとイノベーターを広範で終わりのない責務に直面させ、その結果、訴訟が増加し、ベンチャーキャピタル投資の減少を招き、雇用の損失が起こり得る」と反論する。Washington Post紙によると、米商工会議所のSOPAサポートに反発してYahoo!が10月に同団体から脱退、Googleや約2,200企業を代表するCEAも脱退を検討しているという。



人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事