Xilinxは、同社FPGAデザインツールの最新版「ISE Design Suite 13.3」を発表した。

同バージョンでは、DSP設計者が無線通信、医療、航空宇宙/防衛、高性能コンピューティングおよび映像アプリケーションをターゲットとするデザインに、ビット精度の単精度/倍精度/フルカスタム精度の浮動小数点演算を容易に実装できる新機能が盛り込まれた。

「Floating-Point Operator IP LogiCORE」を活用する同フローは、「System Generator for DSP」からアクセスでき、これによりDSP設計者は高度な開発環境下で、浮動小数点デザインの作成、シミュレーションおよび実装を容易に実行できるほか、システムで要求されるシリコン領域や消費電力を効率よく管理できるようになると同社では説明している。

従来は、CORE Generator で使用できるフルカスタム精度の浮動小数点IPコアを使用して、FPGAに浮動小数点デザインをインプリメントしていたが、デザインフローにおいてはVHDまたは、Verilogの知識が必要で、DSP設計者にとってシミュレーションは困難な作業となることが多かったが、同社のFloating-Point Operatorコアは、FPGAで実行可能な浮動小数点演算を広くサポートしており、同演算はCORE Generatorツールに加え、System Generatorを介してコアを生成する際に指定して実行できる、各演算バリアントは共通のAXI-4ストリーミングインタフェースを備えていることから、抽象度の高い設計手法でシステムを実現し、MathWorksのSimulinkのシミュレーション機能を活用することで忠実度要件を満たす設計を確実に行えるようになるという。

また、同ツールのLogic、EmbeddedおよびSystem Editionでは、Red Hat Enterprise Linux 6のサポートも追加されたほか、プラグアンドプレイIPの機能および7シリーズのサポートが強化された。

さらに、Embedded EditionおよびSystem Editionでは、Platform Studioの使用を容易にするグラフィック表示画面などの機能が強化されたほか、Logic Editionでは、HDLファイルの階層的なグラフィック表示など、生産性向上に貢献する機能がデザイン解析ツール「PlanAhead」に追加された。

なお、同ツールのすべてのエディションがすでに利用可能で、価格はLogic Editionの2,995ドルからとなっているほか、すべての機能を30日間利用できる評価版も同社Webサイトから無料でダウンロードすることが可能となっている。