ZFS is a new kind of file system that provides simple administration, transactional semantics, end-to-end data integrity, and immense scalability.

ZFSの開発者が、開発を始めてから10年が経過したのを機に、これまでのZFS開発を振り返った記事を「ZFS 10 year anniversary」として公開した。ZFSの特徴的な機能のひとつであるsend / receiveの機能が考案されたのはかなりあとになってからであり、それは当時劣悪だったネットワーク環境においてどうやって遠隔地にあるファイルの同期を実現するかという切実な問題に対する取り組みだったことなどを紹介している。

現在ZFSはストレージシステムを構築する際の要となる技術のひとつとして活用されている。ストレージプールとファイルシステムという双方を持ち合わせている点が最大の特徴となる。このため、物理デバイスに対して柔軟でダイナミックなシステム構築および運用が可能。容量の追加や故障したディスクの交換が簡単に実施できるほか、スナップショットの作成、データの移行、データセットごとに細かい制御が可能など、運用において便利な機能が多数提供されている。

ZFSはCDDLのもとで公開されているため、SolarisのみならずFreeBSDなどほかのOSに導入されている点も大きな特徴といえる。FreeNASといったNASストレージソリューションもZFSの機能を取り込んでおり、データセンターやエンタープライズ向けの高性能ストレージアプライアンス、ワークステーション/PC、中小企業やSOHO向けストレージシステムなど幅広い分野で活用されている。登場から10年、ZFSはますます重要度を増しており、今後も広く利用され続けるとみられる。