Wolfson Microelectronicsは、次世代オーディオハブ「WM8996」およびクラスDデジタル入力スピーカアンプ「WM9082」を発表した。スマートフォンやタブレットPCをターゲットとするこれらの製品は、アナログ信号の長距離ルーティングによって発生するオーディオ品質劣化を回避するデジタル・オーディオサブシステムを製品開発者に提供すると同社では説明している。

WM8996は、同社独自のオーディオミキシング・メソッドが採用されており、小型パッケージ内のシリコンスペースを効率的に利用することで、多重オーディオルーティングおよび同時利用を簡単に処理することが可能なほか、HDオーディオ品質のさらなる改善、低消費電力の実現、電池寿命の延長が可能となるという。また、パルス密度変調(PDM)プロトコルを採用したデジタル・オーディオインタフェースを備え、同時に発表されたWM9082や同社のデジタルマイク製品の接続も可能としている。

WM9082は、PDM入力を提供する高性能クラスDスピーカアンプで、WM8996のコンパニオン・チップとしても完全動作する。S/N比100dBのオーディオ出力性能を提供し、帯域外雑音スペクトラムが少なく、放射電磁妨害を抑える。サイズは2.3mm2と小型でありながら、4Ωのスピーカで2.5Wまで駆動可能である。

WM8996とWM9082間のデジタル・オーディオインタフェースは、優れたノイズ耐性を提供しており、従来のアナログアンプに必要とされた入力フィルタリング・コンポーネントが不要になるという。PDMインタフェース・フォーマットは、デジタル処理でデータ転送するオプションを提供するにあたってオーディオ品質を落とすことなく、最終製品筺体の設計における複雑性を軽減する。これにより、より長距離でアナログ信号をルーティングする際のオーディオ品質劣化を回避できるようになる。さらに、デバイス間のPDMインタフェースは、設計を簡素化できることから、市場投入までの期間を短縮することも可能なほか、オーディオサブシステムのサポートに必要とされる部品数を減らすことが可能なため、基板スペースやBOMコストの節約もできるようになるという。

なお、現在、WM9082は9ピンCSPパッケージで、WM8996は54ピンW-CSPパッケージ(1000個単位)で、それぞれ出荷中である。

オーディオハブ「WM8996」、クラスDデジタル入力スピーカアンプ「WM9082」