文部科学省は10月31日、「放射線量等分布マップ(土壌濃度マップ)」のうち、テルル129m、銀110mの土壌濃度マップを公開したと発表した。

同省は、ヨウ素131および放射性セシウムの分析過程において、同じくガンマ線放出核種であるテルル129m、銀110mが比較的広範囲に検出されていることが確認されたことから、これらの拡散状況を確認するため、すべての土壌試料について再度放射性核種に関する分析を実施した。

土壌採取日は、第1期が「6月6日~6月14日」、第2期が「6月27日~7月8日」。土壌の核種分析にあたっては、全国21の研究機関のゲルマニウム半導体検出器が用いられた。

同調査で、テルル129mと銀110mの沈着量の最高値が検出された場所において、仮に、50年間滞在した場合に生じる、土壌からの再浮遊に由来する吸入被ばくと土壌からの外部被ばくに基づく線量の積算値(以下、50年間積算実効線量)を、IAEAが提案している緊急事態時の被ばく評価方法に基づき計算したところ、同調査でセシウム134 やセシウム137 の沈着量の最高値が検出された場所における50年間積算実効線量と比べて、非常に小さいことが確認された。

これにより、同省は今後の被ばく線量評価や除染対策においては、セシウム134および137 の沈着量に着目していくことが適切としている。

テルル129mの土壌濃度マップ 資料:文部科学省

銀110mの土壌濃度マップ 資料:文部科学省