Internet Protocol version 4

日本向けのIPv4アドレスのプールは4月15日をもって枯渇した。新しいIPv4アドレスを確保することはできなくなり、利用できるのはすでに国内で保持されている分のみになる。枯渇発表からすでに半年が過ぎたが、実は多くのユーザが「何をどうすれば良いのかわからない」という状況にある。

特に企業におけるシステム担当者やアプリケーション開発といった層になると、正直なところ今後何が起こるのか、実際にどういった対策を取らなければならないのか、他社の行動待ちということにして様子見という方は少なくないだろう。まだその影響を身近に感じることはないが、そろそろ影響が出始める時期に来ている。

現状どういった認識をされているのか、今後どういったことが起こるのかだが、次の資料に情報がよくまとまっている。開発者からインフラの担当者まで一読する価値のある資料といえる。

遅かれ早かれ、インターネットはIPv4とIPv6の双方が存在するという状況になると考えられている。こうした状況になった場合、仕組み上の制約、インフラの未対応が原因による問題、アプリケーションが未対応または誤った対応をしたことによる不具合などが発生する可能性がある。ネットワーク環境は未来へ向けて日々変化しつつあり、昨日は表示できたコンテンツが、今日は表示できないという状況がやってこないとは言いきれない。

インフラやネットワーク側の対応にはいくつかのレベルがあるので(すべての関連機器やサーバをIPv4/IPv6両対応にするのか、どこかのポイントで変換を実施するのか、など)そう簡単には議論できないが、アプリケーション側は現状でも開発で対処することができる。

基本的にはIPv4依存コードを見つけてIPv4/IPv6の両対応へ書き換えれば良いが、これには検証環境の準備が重要になってくる。IPv4/IPv6両対応の環境で試験を実施すると、正確に問題を突き止めることができないケースがある。IPv4のみの環境、IPv6のみの環境、IPv4/IPv6両対応の環境を用意し、個別に調査する方法が有効。FreeBSDやPC-BSDはそうした目的のためにIPv6のみサポートした環境を提供している。