自動車保険の等級制度が見直しへ - 事故を起こした人は3年間、保険料を高く

金融庁は24日、損害保険料率算出機構から提出された自動車保険の参考純率(※)の改定案について、これを了承すると通知したことを明らかにした。

※ 損害保険の保険料率は、(1)「純保険料率」と(2)「付加保険料率」からなっている。損害保険料率算出機構はこのうち、参考純率として「純保険料率」を算出している。会員保険各社は、この純保険料率を参考にした上でこれを修正し、あるいはこの純保険料率を用いずに、独自に純保険料率を算出することができる

損害保険料率算出機構では、保険契約者間の公平性を確保するため、自動車の用途・車種をはじめ、契約者の過去の事故歴などに応じた区分(制度)を設け、それぞれの区分のリスク実態に見合った自動車保険の参考純率を算出している。

参考純率は、各区分の保険料がそれぞれの区分のリスク実態と一致することによって健全な保険収支が維持されることが期待されているが、「そこに乖離(かいり)が生じ、契約者間の保険料負担の不公平が生じていると見込まれる場合には、各区分における保険料や区分自体の改定が必要となる」(損害保険料率算出機構)。

現行のノンフリート等級別料率制度は、契約者の事故に応じてリスクを1~20等級に区分し、等級ごとに保険料の割引または割増を行う制度。初めて契約する場合には、6等級または7等級が適用され、その後、1年間無事故の場合には、翌年度の契約の等級が1等級上がり、事故があった場合には3等級下がる。

だが、損害保険料率算出機構によると、現行制度においては、事故有契約者と無事故契約者の保険料負担に不公平が生じている。現行制度では、前年の事故の有無にかかわらず、同じ等級の契約者であれば同一の割増引率を適用している。

しかし、前年事故があった契約者(事故有契約者)は負担している保険料と比較してリスク実態(保険金の支払状況)が高く、前年事故がなかった契約者(無事故契約者)は負担している保険料と比較してリスク実態が低くなっている。

これは、事故有契約者に適用される保険料が不足していることを意味しており、「現行制度では事故有契約者が本来負担すべき保険料の一部を無事故契約者が負担している構造にある」(損害保険料率算出機構)という。

そこで同機構では、ノンフリート等級別料率制度を改定し、事故有契約者に対してリスク実態に応じて負担増を求める一方、無事故契約者については、全体として負担減を行うことにより、無事故契約者と事故有契約者の保険料負担の公平性を確保した。

ノンフリート等級別料率制度改定の概要は以下の通り。

等級別割増引率と無事故契約者と事故有契約者に細分化し、全ての等級について割増引率を見直した

事故有契約者は保険料が引き上げとなり、無事故契約者は平均的に保険料が引き下げとなる。

車両盗難、飛び石、落書などの事故について、リスク実態に応じた保険料負担とするため、1等級ダウンへ変更した

上記の一定の事故形態については、「運転上のリスク」によって保険料が支払われた契約と比べて、リスクは低いものと想定されていたため、これまで事故を起こしても等級を据え置いていたが、事故後のリスク実態が高い状況を踏まえ、1等級ダウンへ変更した。

事故有契約者は、事故1件につき3年間は低い割引料率を適用する。また、車両盗難、飛び石、落書などの事故形態の場合には、事故1件につき1年間、低い割引率を適用することにした。

改定後の等級別割増引率(継続契約の場合)(出典 : 損害保険料率算出機構ホームページ)

損害保険料率算出機構では、参考純率における新制度の導入日について、2012年4月1日になるとしている。ただし、新制度の導入にあたっては、「次の契約からは新制度が開始される」旨を周知するための期間を導入日から1年間設ける。

したがって、参考純率上は、2012年4月1日から1年間はまだ現行ルールに基づき決定した等級および現行係数による契約となり、2013年4月1日から、新ルールに基づき決定した等級および新係数による契約が開始される。

ただし、新制度の導入日以降に締結した契約で事故があり、周知期間中に更改契約を行った場合には、周知期間中であっても、その更改契約から新ルールに基づき決定した等級および新係数による契約が開始される。

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