内部告発サイトWikiLeaksは24日、英ロンドンでJulian Assange代表が記者会見し、機密文書などを公開する活動を一時休止し、資金集めに専念すると発表した。金融機関が相次いで同団体との取引を停止したことで資金難に陥り、資金問題を解決できなければ年内にもサイト閉鎖に追い込まれる可能性があるという。

非営利団体のWikiLeaksは運営資金を全世界からの寄付に頼っており、寄付金の受付にPayPal、Visa・MasterCardなどのサービスを利用していた。昨年12月にAssange氏がスウェーデンでの婦女暴行容疑で逮捕されたのを受けて、PayPalやVisa・MasterCardがWikiLeaksへのサービスを遮断、Western Union、Bank of Americaなども続いた。 WikiLeaksによると、現在寄付の5%しか届かず、95%は同団体の運営に反映されていないという。同氏は金融会社の取引停止を「政治的な財務閉鎖」と非難し、まずは資金面の兵糧攻めへの対策に専念する考えを会見で示した。WikiLeaksはWebサイトに同団体との取引を継続する銀行や寄付に利用できる電子マネーをリストし、「攻撃を食い止めるには、あなた方からの支援が必要です」とサポートを呼びかけている。

WikiLeaksはWebサイトで運営継続に必要な経費の内訳を公表している。給与/スタッフ経費:500,000ドル、リサーチ:500,000ドル、セキュリティ:300,000ドル、製作費:400,000ドル、キャンペーン:300,000ドル、技術情報:500,000ドル、訴訟費用:1,200,000ドル。合計3,700,000ドルだ。

WikiLeaksへの寄付金の大部分を管理する非営利団体Wau Holland Stiftung(WHS)が今年4月、2010年にWikiLeaksに集まった寄付金と、その使途に関する報告書を公開した。収入は1,331,698ユーロ(約1,854,456ドル)で、支出は401,825ユーロ(559,561ドル)。2010年の経費と、現在WikiLeaksが必要とする経費には7倍近い差がある。例えば2010年の給与は145,000ドル、訴訟アドバイス費用は46,000ドルであり、収入減だけではなく、Webサイトの規模拡大や訴訟費用の増加による支出増も資金難の原因になっていると考えられる。

WikiLeaksが受け取った寄付金の推移