ソニーエリクソン(Sony Ericsson)は10月14日(欧州時間)、2011年第3四半期(7-9月期)決算を発表した。同社プレジデント兼CEOのBert Nordberg氏はこの中でスマートフォン市場への継続投資を強調しており、2012年には同社製品ポートフォリオのすべてをスマートフォンへとシフトさせる意向であると発表した。

同社の第3四半期の売上は15億8600万ユーロで前年同期比0.9%微減、純利益は±0ユーロだった。だが同社によれば、直前の第2四半期と比較して売上で33%増、純利益で7300億ユーロの増益を達成しており、不調から脱出したことを報告している。同四半期の端末の総出荷台数は950万台で前年同期比で8.7%の減少だが、端末の平均単価は154ドルから166ドルへと上昇している。

こうした背景にはおそらく、製品単価の高いスマートフォンの比率が増えていることに起因するとみられる。同社によれば、AndroidスマートフォンのXperiaシリーズは金額ベースで現在同社の売上の80%以上を占めており、累計で2200万台の出荷を達成しているという。ソニーエリクソンは欧州やアジアなどを中心に従来型のフィーチャーフォンも多数出荷しているが、前述のように金額シェアではスマートフォンがそれらを圧倒しつつあることがうかがえる。このように、ミッドレンジ市場をターゲットに出荷されていた製品の多くは、今後はソニーエリクソンのようにスマートフォン特化へとシフトしていく可能性が高いといえるだろう。

なおソニーエリクソンは現在、ソニーがEricssonから株式を全額取得することで100%子会社化の打診を受けている。この話題と合わせ、大手携帯メーカーの1社がスマートフォン専業へと舵を切る戦略を採ったのは面白い動きだ。