米Motorola子会社の米3LM(Three Laws of Mobility)は、同社のAndroid管理サービスの開始を発表した。GigaOMなど複数のメディアが10月10日(現地時間)に報じている。3LMはAndroidデバイスの管理やリモートワイプ、アプリの自動配布といったセキュリティ管理ソリューションを提供するサービス企業。日本ではKDDIとの提携を発表しており、11月よりサービスを開始するとアナウンスしていた。

3LMはGoogleのAndroid開発チームのメンバーだったTom Moss氏らによって設立されたセキュリティ企業。3LMはサービスインを前にMotorolaによって買収され、さらに現在GoogleがMotorola買収を進めているため、将来的にGoogleの傘下に収まるものとみられる。Moss氏は以前のKDDIとの提携発表において「Androidでは標準でセキュリティを強化する仕組みを実装しておらず、これが弱点であると同時に、われわれのようなサードパーティのビジネスチャンスでもある」と3LMの存在意義について語っている。現在でこそiPhone販売に参入し、日本唯一のWindows Phone 7端末を扱うキャリアになるなど全方位戦略を進めているKDDIだが、2011年初頭の段階では製品ラインナップにAndroid端末しか抱えておらず、同製品の法人への売り込み強化を狙って3LMとの提携を推し進めた経緯がある。現在、KDDIでは一部顧客とのトライアル導入テストを進めている段階で、当初の予告通り11月より日本での3LMソリューションの正式スタートを行うとみられる。

なおMotorolaでは3LMの発表同日に、「ET1」というAndroidタブレットの投入を発表している。これはエンタープライズ利用を想定したAndroid端末であり、販売店などでのセールスアシスタントやモバイルPOSなど、特定用途向けをターゲットにしているようだ。同市場は最近になりAppleがiPadで積極的にセールスをかけており、MotorolaもまたAndroidで積極展開を目指すことになる。