Windows Internet Explorer 10

Firefoxが「Firefox 4」から6週間ごとという短周期リリースに移行したことで、エンタープライズ用途での懸念が浮き彫りになった。エンタープライズではシステムを動作させるまでに長い時間をかけて検証を実施し、一度稼働させたシステムは何年にも渡って修正やセキュリティ対策以外のアップデートを実施しないことがままある。ブラウザが6週間おきにアップデートしたのでは、この取り組みには対応できない、というわけだ。

この問題は今後IEにおいてより大きな問題になる可能性がある。多少誇張された内容だが、「Browser Market Pollution: IE[x] is the new IE6」が問題を端的に説明している。このままいけばMicrosoftは1年おきに新しいバージョンのIEをリリースすることになり、Microsoftの長いサポート期間を考えれば、10年後にはIE7からIE19までずらりとサポートしなければならないブラウザの山になるだろう、という内容になっている。

短周期リリースとエンタープライズ利用の関係については、今のところ問題の解決策を模索している状況にある。Mozillaはこの問題に対して、短周期リリースをベースとしながらも、エンタープライズに対してはロングサポートのバージョンを定期的に提供するモデルを提案した。ベースは6週間おきのリリースだが、エンタープライズに対しては30週間おきのリリースを実施するという内容になっている(30週でもまだ短いという指摘もある)。

IEの場合、強制アップグレードシステムを採用していないため、こうしたFirefoxが抱える問題に加えて並列して多くのバージョンのIEが存在してしまうという可能性がある(もちろんこれは現在のままいけば、という話だが)。最終的にどういったスタイルになっていくのかは現段階では不透明だが、いずれ問題化しうる懸念材料であることは把握し、動向に注目しておきたい。