IDC Japanは9月29日、国内家庭ユーザーを対象に実施した「PC/スマートフォン/メディアタブレットの利用実態に関する調査」の結果を発表した。これによると、スマートフォン購入時に、PCと比較検討・購入したと回答した比率は0.8%と非常に少ないことがわかった。

同社は、PCの市場価格が低下してスマートフォンの価格に近づくことにより、両者が競合すると想定していたが、今回の結果からユーザーはスマートフォンの購入時に、PCを比較対象としていないと分析している。

同調査によると、複数の情報端末を持つユーザーの1日の平均利用時間は、スマートフォンが100分、ポータブルPCが140分、デスクトップPCが160分と、スマートフォンの利用時間はPCよりも短かかった。この結果について、同社は「スマートフォンが通勤や通学など移動の空き時間を埋める目的で利用することが多い一方、PCは目的をもって使われているということが、平均利用時間の差に表れている」と分析している。

各情報端末の必要性について聞いたところ、PCが必要だという回答率は96%である一方、メディアタブレットが必要だという回答率は11%だった。メディアタブレットの回答率の低さについて、メディアタブレットがポータブルPCとスマートフォンの中間的な位置付けにあり、製品としてのポジショニングが明確になっていないことが表れているとしている。

PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は「スマートフォンはモバイルコンピューターとの見方から、PCとスマートフォンが競合すると言われることが多い。しかし、ユーザーは購入段階においても、PCとスマートフォンを比較対象としておらず、それぞれを使い分けている」と分析している。

平日における情報端末の利用時間(年齢別) 資料:IDC Japan