Spansionは9月29日、65nmプロセスを採用したシリアル・ペリフェラル・インタフェース(SPI)のNOR型フラッシュメモリ「Spansion FL-Sファミリ」を発表した。

同ファミリは、自動車のクラスタおよびインフォテインメント、スマートメータなどの高信頼性と高性能が要求されるアプリケーションをターゲットとしており、128M/256M/512M/1Gビットの容量と、16ピンSOパッケージ、 8ピンSOパッケージ、8リードの6mm×8mm WSONパッケージ、24ボールの6m×8mm BGAパッケージなどの複数のパッケージが用意されている。

同ファミリは、同一デバイスから、1クロックサイクルに1/2/4/8ビットのデータ送信が可能で、リード性能は高速処理が可能なXiP(Execute in Place)機能を活用することで、競合他社ソリューション比で20%以上高速となる最大66MB/秒を実現している。また、書き込み速度も、一般的なSPIソリューション比で3倍高速となる最大1.5MB/秒を実現しており、製造時の再プログラミング時間などの短縮が可能となっている。

Spansion FL-Sファミリの各種性能指標

さらに、1Kビットのワンタイム・プログラマブル(OTP)領域、個別のセクタ保護、ハードウェアおよびソフトウェアによるデータ保護などのセキュリティオプションが用意されているほか、一意の128ビットトラッキングIDの使用によるシステム認証とセキュリティの強化を図ることが可能となっている。

すでに128Mビット品と256Mビット品はサンプル出荷を開始しており、2011年10月より量産を開始する予定、512Mビット品は2011年第4四半期中、1Gビット品は2012年第2四半期中の量産開始をそれぞれ予定している。

今回の発表で同社のSPIフラッシュ製品は4Mビット品から1Gヒット品まで幅広いラインアップが揃うこととなる

また同社は併せて、同社のパラレルおよびシリアルNOR型フラッシュメモリ向けフラッシュ・ファイル・システム・ソフトウェア「Spansion FFS」の発表も行っている。

同FFSは組み込みソフトのアプリとともに機能し、フラッシュメモリの読み取り、書き込み、消去などを自動管理するソフトで、同社のパラレルおよびシリアルNOR型フラッシュメモリ製品すべてをサポートしているほか、複数ボリュームの並列処理のサポート、ウェアレベリング機能、RTOSなどからのフラッシュデバイスインタフェースへのマルチスレッド処理のサポートなどが提供される。