アットマークテクノは9月29日、IEEE 802.11b/g/n準拠、UART(シリアル)/SDIO/USBインタフェース対応の組み込み無線LANプラットフォーム「Armadillo-WLAN(AWL13)」を発表した。

同プラットフォームは、ロームの無線LANモジュール「BP3591」を用い、チップアンテナを内蔵することで24mm×33.1mmの小型サイズを実現している。量産用途でも1台から供給可能で、数十台~数千台程度の中小規模ロットでの組み込み機器量産プラットフォームとして提供していくと同社では説明している。

Armadillo-WLAN(AWL13)モジュール

シリアル接続に対応し、各種マイコンとも接続も容易に行うことが可能なほか、無線LANに必須の暗号化・認証の処理からTCP/IPプロトコルスタックの機能も搭載しているため、無線LANやネットワーク周りの複雑な開発作業を行わずに、さまざまな機器やマイコンをそのまま無線LAN対応の機器へと拡張することが可能となる。

また、SDIO、USBの各インタフェース向けに、AWL13対応Linuxデバイスドライバがオープンソースソフトウェアとして無償公開されており、Armadillo-WLANをLinux OSで利用する場合だけでなく、その他のOSを搭載する場合でも、公開されているLinux版ソースコードをデバイスドライバ開発の参考にすることができるのも特長となっている。

UART(シリアル)での接続例

SDIO/USBでの接続例

さらに、ARM9コア搭載の組み込みプラットフォーム「Armadillo-400」シリーズの無線LANオプションとして使うことも可能で、これらを組み合わせることで、カメラを接続した遠隔監視機器やスマートメーターなどの無線LAN対応を容易に実現することが可能となる。

同プラットフォームは、2011年11月に「Armadillo-WLANモジュール」(型番:AWL13-U00Z)およびUART、SDIO、USBそれぞれのインタフェースで接続できる評価ボードや外付けアンテナなどを同梱した「Armadillo-WLAN評価セット」(型番:AWL13-D01Z)として発売される予定で、Armadillo-WLANモジュールの価格は100台一括購入の場合で7,000円程度となる見込み。

さらに同12月には、「Armadillo-420 WLANモデル開発セット」と「Armadillo-400シリーズWLANオプションモジュール」(Armadillo-400シリーズにそのまま装着できる量産オプション)もAWL13対応版にグレードアップする予定としているほか、2012年春にはアクセスポイント(AP)モードにも対応する予定としている。