UEFIを使って指定したOS以外からのシステム起動を禁止する「Secure Boot」はWindows 8における目玉機能の1つだが、これについて「Linuxなど他のOSの利用を阻害するのではないか」といった意見が出てきている。Secure Bootの実装では起動に必要な認証キーがメーカーのプリインストールPCに組み込まれて出荷されるケースが見込まれるため、これが結果的に純正のWindows 8マシンでは他のオープンソースOSの利用が不可能になるのではないかという懸念があるからだ。

Secure Bootについては米MicrosoftのWindows and Windows Live部門プレジデントのSteven Sinofsky氏自らが9月中旬に実施されたBUILDカンファレンスでデモストレーションを行い、そのメリットを訴えている。22日には「Building Windows 8」のBlog投稿で自らマルウェア対策に有効であることを訴えており、USBキーや光学ドライブなどリムーバブルメディア経由でのシステム起動を防ぐメリットについて説明している。だがInformationWeekによれば、Linuxなどオープンソース界隈の関係者らからはこの実装について「オープンソースOS利用を阻害するもの」という懸念が出ている話を紹介している。

紹介されている一例はRed Hat向けの開発を行っているMatthew Garrett氏のBlog投稿で、PCメーカー各社が現在進めているUEFI導入の中で、MicrosoftはWindows 8のプリインストール出荷に際してSecure Bootで必要になる認証キーの導入を求めており、この認証キーと合致する以外のOSの起動を未然に防ぐ仕組みを構築しようとしているという。Secure Bootでは実装に際してOSを識別する認証キーが必要であり、この認証キーがあらかじめシステムに含まれていない場合、起動できない仕組みとなっている。だがMicrosoftの施策ではWindows 8の認証キーのみが含まれる形となり、Linuxをはじめとする多くのオープンソースOSではこれらプリインストールマシンでの起動が不可能になる可能性があるというのが同氏の指摘だ。各OSの認証キーを含むかの対応はPCメーカー各社に委ねられるが、現状のままでは対応は難しい可能性が高いといえる。今後Windows 8発売まで1年近く期間があるとみられるが、それまでこの話題がどのように進んでいくかをウォッチしているといいかもしれない。