Windows Internet Explorer 10

MicrosoftはWindows 8で従来のデスクトップ版IEと、タッチ操作を主体としたタブレットデバイス向けのIE「Metroスタイルブラウジング」の双方を提供する計画でいる。従来のデスクトップ版はこれまで通りの方向性の進化となるが、MetroスタイルはこれまでのIEとは特性がまるで異なる。最大の違いは、「プラグイン」や「エクステンション」の提供を廃止する点にある。

どういった理由でMetroではプラグインやエクステンションの提供を廃止するかということが「Metro style browsing and plug-in free HTML5」に掲載されている。理由を抜粋してまとめると次のようになる。

  • MetroスタイルはHTML5技術の使用に注力する。既存のプラグインの提供するユーザ体験はMetroスタイル/HTML5技術とは相性が良くない。
  • プラグインの提供を廃止することでバッテリー寿命の改善、セキュリティの向上、信頼性の向上、プライバシーの向上が期待できる。
  • デスクトップ版のIE10ではプラグインもエクステンションも提供されるため、必要になった場合にはデスクトップ版を使用すれば良い。Metroスタイルで無理にこうした機能を統合することはしない。

Metroスタイルのブラウジングはあくまでもタブレットデバイスで没入的なユーザ体験を提供するものだと位置づけ、プラグインは提供しないという姿勢を明確に示している。Microsoftはこれまでもプラグインフリーのコンテンツを作成すべきだという意思表明をしてはいたが、タブレット向けとはいえプラグインやエクステンションをサポートしないとする今回の発表は、同社の姿勢を強く示すものといえる。