日本HPは9月16日、商業印刷向けデジタル印刷機の新ラインナップとして、すでにワールドワイドで展開を開始しているインクジェットテクノロジーを採用するデジタル輪転印刷機「HP Color Inkjet Web Press」の国内販売を開始した。

新たに国内販売を開始する製品は、カラー61m/分、モノクロ122m/分の印刷速度を持つ最大用紙幅20.5inch(520.7mm)の「HP T200 Color Inkjet Web Press」、カラー・モノクロ122m/分で最大用紙幅30inch(762mm)の「HP T300 Color Inkjet Web Press」、カラー・モノクロ183m/分で、最大用紙幅30inch(762mm)の「HP T350 Color Inkjet Web Press」、カラー・モノクロ183m/分で最大用紙幅42inch(1066.8mm)の「HP T400 Color Inkjet Web Press」の4機種。

「HP T200 Color Inkjet Web Press」

「HP T300/T350 Color Inkjet Web Press」

「HP T400 Color Inkjet Web Press」

これらの機種は、「HPエレクトロインキ」を採用する「HP Indigoデジタル印刷機」の上位機種に位置付けられる。

印刷業界向け製品のポートフォリオ

日本HP 取締役 執行役員 イメージング・プリンティング事業統括の挽野元氏

日本HP 取締役 執行役員 イメージング・プリンティング事業統括の挽野元氏は、商業印刷分野ではアナログ機器の比率が高く、今後、デジタル化への移行が進む有力な市場と捕らえ、今後注力していく語った。同氏は、その国内市場規模を約5,000億円と予測している。特に出版業界はアナログ比率が高く、市場規模も大きい有力な市場だという。

分野別のアナログ/デジタル比率

今回、新たに国内販売を開始する4製品は、主に出版、メーリングサービスの分野をターゲットとしている。

出版業界では、多品種小ロット化が進んでおり、挽野氏は初期ロットで大量に印刷するオフセット印刷が主流の現在の方式よりも、デジタル化によって必要な時に必要量だけを印刷するほうが、輸送コストや在庫管理コストを削減できると説明する。

また、DMを代表とするメーリングサービスでは、デジタル化により顧客の嗜好にあわせ、個別に内容が異なるDMを送付でき、効果的なマーケティングが行えるとした。

米HP イメージング・プリンティンググループ バイスプレジデント兼高速インクジェットウェブソリューション事業部 ゼネラルマネジャ アウレリオ・マルジ氏

米HP イメージング・プリンティンググループ バイスプレジデント兼高速インクジェットウェブソリューション事業部 ゼネラルマネジャ アウレリオ・マルジ氏は、商業印刷分野における事業戦略として、プリンタ単体で販売するだけでなく、さまざまな後工程やワークフローを提供しているパートナーと連携し、各プリンタに合わせたソリューションとして提供していくと述べた。

今回の4製品の国内販売ついては、メーリングサービス分野において、すでにワールドワイドで提携関係にあるピツニーボウズ社と連携して市場を開拓していくという。