富士フイルムは、印刷会社等で使用された同社のオフセット印刷用刷版材料「CTP版/PS版」から主原材料であるアルミニウムを再利用するクローズドループリサイクルを10月より開始することを発表した。

CTP版/PS版は、紙にインクを転写する工程で使われるもの。良好な印刷結果を得るために純度の高いアルミニウムが使用されているが、アルミニウムの新地金製造には新たな資源と大量のエネルギーが必要となる。同社ではこれまで、CTP版/PS版の生産工程で発生した廃材アルミニウムを再利用する、クローズドループリサイクルの実績を積んできた。

新たに開始されるリサイクルでは、同社の子会社であるエフアールが回収会社を通じて使用済み製品を入手。協力先の合金メーカーが使用済み製品を再生地金にし、延圧メーカーが純度の高いアルミニウムコイルへ加工する。同社は吉田南工場において、これを原材料にCTP版/PS版を製造する形となる。

これにより、アルミニウムの製造からCTP版/PS版の生産までに発生するCO2量を、アルミニウム新地金を使用した場合と比較して最大63%削減できるとしている。同社では同活動への参画を証明する独自の環境マーク「PLATE to PLATEマーク」を制定し、印刷会社等へ提供していく。

使用済みCTP版/PS版のクローズドループリサイクルの仕組み

「PLATE to PLATEマーク」。参画企業はこれを印刷物に表示するなど、環境への取り組みに活用できる