大井川鐵道は、10月7日から開催される「SLフェスタ」に合わせて、新金谷駅構内に設置された転車台の供用を開始する。これにより、千頭駅発のSL列車のバック運転が解消されるという。

新金谷駅に設置される転車台のイメージ

新金谷駅。10月1日より、SL列車は新金谷~千頭間の運転に

同社の大井川本線(金谷~千頭間)ではSL列車の運転が行われている。これまで、千頭駅発のSL列車は、機関車後部を先頭にしたバック運転を行っていたが、「正面スタイル」を期待した乗客にがっかりされることもあり、乗車率も金谷駅発より低かったという。

SLの向きを変えられる転車台に関しては、すでに千頭駅構内にも設置されている。しかし、これを使用しても、今度は金谷駅発の折り返し列車がバック運転となるため、ほとんど使われていないのが現状だった。

バック運転で走行中のSL列車。鉄道ファンにとっては興味深い姿といえるが、観光客の評判は必ずしもよくなかったようだ

こうした状況を解消すべく、現在、新金谷駅構内で転車台の建設が進められている。総工事費は9,000万円で、全長17.5m、重さは22.8トン。転車台の橋げたは既存のもの(1988年製)を改造して使用するという。

また、「体験型観光」の一環として、観光客も転車台の手回し体験が行えるようにすべく、人力・電気駆動を併用した駆動方式に。10月7日は転車台オープニングセレモニーとともに手回し体験も実施されるとのこと。

同社は10月1日にダイヤ改正を実施。現在、金谷駅を発着しているSL列車は新金谷駅発着となり、愛称が「かわね路号」に統一される。