米Hewlett-Packard(HP)がPalmなどスマートフォンやタブレットを含むwebOS事業からの撤退を発表したが、これを受け、Microsoftが同プラットフォームの開発者らに対して無料のWindows Phone 7端末やツール、トレーニングを提供すると表明して話題になっている。

ITベンダーのお家騒動に便乗する形で、ライバルらがその顧客らに対して製品移行の優遇策を発表して自陣営に引き入れようと試みることは多々ある。最近ではOracleによるSun Microsystems買収の成否が定まらない段階で、HPやIBMといったライバルらがSunシステムを利用する顧客に対して大々的な移行キャンペーンを張ったことが知られている。

今回の話題の発端となったのは、米MicrosoftでWindows Phone 7担当ディレクターを務めるBrandon Watson氏の8月20日(現地時間)のTwitterでの投稿で、webOSのアプリ開発者らを対象にWindows Phoneプラットフォームでの成功に必要なものを提供する用意があることを告知している。その中には開発ツールやトレーニングのほか、無料のWindows Phone 7端末まで、必要なさまざまなものを提供していくという。

Brandon Watson氏の8月20日のTweetでは、無料のWindows Phone 7端末を含むさまざまな支援をwebOSアプリ開発者に対してアピール

このTweetに対する反響はすさまじく、同氏のTwitterアカウントには瞬く間に質問や連絡が押し寄せたようだ。最初のTweetから22時間で500以上のTwitterによるリプライ、または電子メールによる問い合わせがあり最終的に翌22日に600通の応募で締め切ったことを報告している。生き馬の目を抜く昨今のIT業界の攻防だが、その背後ではこれだけの数のデベロッパーたちに支えられているということを改めて認識する。