日本レコード協会は8月23日、同協会の会員社を含むレコード会社30社と音楽出版社1社が、YouTubeからの動画ダウンロード支援サイト「TUBEFIRE」を運営するミュージックゲートに対して、レコード会社などが権利を有する動画および音源のダウンロードサービスの停止と損害賠償約2億3千万円を求める訴訟を、8月19日に東京地方裁判所に提起したことを明らかにした。

発表によれば、TUBEFIREを運営するミュージックゲートは、YouTubeにアップロードされている動画などをユーザーのパソコンにダウンロードできるようにするサービスを2007年から提供しており、このサービスの提供時に、同社が管理するサーバーにレコード会社などが権利を有する動画などのファイルを権利者の許諾を得ることなく複製して保存し送信可能な状態にし、公衆送信権(送信可能化権)および複製権を侵害したとして今回の訴訟に至ったものとしている。

訴訟提起にあたっては、同協会会員レコード会社などはミュージックゲートが管理するサーバーに、自社が権利を有する特定アーティストの音源および動画約1万ファイルが無許諾で複製されていることを確認しており、損害賠償額はこれらのファイルが少なくとも調査期間中はダウンロード可能な状況にあったものとして算出されている。

同協会では8月8日にYouTubeなどの動画サイト利用者における、音楽コンテンツの取り扱いの実態について調査した結果を発表している。それによると年間12億ファイルが違法にダウンロードと推計されている。

日本レコード協会 Webサイト

なお、今回提訴したのは、日本コロムビア、ビクターエンタテインメント、キングレコードなど31社。