Standard&Poor's Equity Research Services (S&P ERS)のアナリストScott Kessler氏が16日(米国時間)に、Google株の評価を4-STARS (buy)から2-STARS (sell)に引き下げた。Googleが15日(同)に発表したMotorola Mobility買収計画が完了したとしても、ワイアレス市場における特許抗争からAndroidを守るのに十分な特許ポートフォリオにならない可能性を指摘している。

Kessler氏は7月26日(米国時間)に、Androidに関する特許問題の拡大と、Googleに対する米連邦取引委員会(FTC)の調査開始を理由に、Google株の評価を5-STARS (strong buy)から4-STARS (buy)に格下げした。今回は、それに続く引き下げだ。

Motorola Mobilityは、17,000件の特許を保有し、また7,500件が係属中。これは6月末に、AppleやMicrosoftなど6社で構成されるコンソーシアムが45億ドルで落札したNortelの特許6,000件を大きく上回る。Kessler氏はGoogleが得るMotorola Mobilityの特許が現在のスマートフォン市場に適用できるものであると認めた上で、さらにGoogleが幅広い分野にわたり数多くの特許を保有する効果も指摘している。「広範囲におよぶ知的財産ポートフォリオで武装している同士が争えば、(対抗訴訟を起こされて)お互いに大きなダメージを被る可能性があるため、どちらも特許戦争を起こさなくなる。Googleはおそらく、この冷戦コンセプトが特許攻撃からAndroidフランチャイズを守ると考えているのだろう」と同氏。

しかしながら、Motorola Mobility買収の効果については慎重な見通しを示している。「Motorola Mobilityの特許は広範におよび価値の高いものだが、知的財産問題からAndroidを保護できるという確信が持てない。加えて、Motorola Mobilityの買収がGoogleの成長、利幅、バランスシートに負の影響を与えると考えている」とKessler氏。

一方Motorola Mobility株についてはS&P ERSのアナリストJames Moorman氏が15日(米国時間)に、Googleの買収額である1株あたり40ドルに近づいた時点で4-STARS (buy)から3-STARS (hold) に引き下げた。17日(同)のMotorola Mobility株は始値が38.00ドル、終値が38.13ドルで、高値が38.25ドルだった。