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Firefoxからバージョン番号が消える日が来るかもしれない。すくなくとも、ヘルプメニューの「Firefoxについて」からFirefoxのバージョンを確認することができなくなる可能性がある。MozillaのAsa Dotzler氏が「Bug 678775 - Remove version from About window」において、「Firefoxについて」からバージョン番号の表示を排除し、かわりに「Firefoxは20分前にアップデートをチェックしました。最新のリリース版をお使いです。」といったメッセージを表示すべきだといった意見を掲載。「いつ」チェックしたのかをユーザに提供することが重要であり、バージョン番号は「about:support」などで確認できればいいだろうと説明している。

6週間おきの短周期リリースという現在のFirefoxにおいては、バージョン番号の意味合いもかわりつつある。バージョンという括りではなく、「最新版であるかどうか」という点をユーザに情報として提供していくというのは、ひとつの方法といえる。ただし、この取り組みに対するコミュニティの意見はかなり辛辣だ。「Bug 678775」に掲載されているコメントは8月17日現在の段階で100を超えているが、そのほとんどが反対意見となっている。主な意見は次のとおり。

  • ユーザはすでに「Firefoxについて」でFirefoxのバージョン番号を確認できるというユーザ体験に慣れている。消すことに意味があるとは思えないし、仮に消すとすれば、Firefoxのバージョニングの仕組みを、日付ベースのものはタイムベースのものへ変更すべきだ。
  • すべてのユーザが最新版を求めているわけではない。アドオンの互換性やほかのソフトウェアとの連携など、ユーザにとって懸念は多い。
  • ほかのアプリケーションとのユーザ体験の不一致を招く。ユーザは「ヘルプ」の「○○について」にアクセスすればバージョン番号をチェックできると知っているのに、Firefoxでこれが利用できなくなるのはいかがなものか。
  • バージョン番号を消すところまで徹底する必要はないのではないか。折衷案となるが、バージョン番号は非表示にしておき、リンクをクリックしたらバージョン情報などそのほか付加情報が見えるようにしてばどうか。
  • シンプル化は大切なことだが、これはやり過ぎである。
  • ネットワークの帯域が狭く、1日の通信量が制限されている、または課金制である場合、このように常にダウンロードが実施される状況は悪夢であり、ぜひとも止めていただきたい。

バージョン番号を掲載しない方針に賛成するとした意見は、「FacebookやTwitterにバージョン番号はない」といったことを引き合いに出し、もうバージョン番号を利用する時代ではないといった説明をしている。しかしこの意見に対しても、Firefoxはインストールするアプリケーションであり、Webアプリとして提供されているFacebookやTwitterと同列にみなすことはできないといった反論が掲載されている。