いよぎん地域経済研究センターは9日、愛媛県内における家庭内での節電状況についてのアンケート結果について発表した。これによると、県内の家庭において、今年の夏から新たな節電をしているかどうかを尋ねたところ、65.3%が「している」と回答した。

いよぎん地域経済研究センターでは、原子力発電所の運転停止に伴い、関東、関西地区の電力供給不足が懸念されている中、県内の家庭での節電への取り組み状況を把握するため、アンケートを実施。アンケートは、調査票を伊予銀行の店頭で配布し、郵送で回収。調査時期は2011年7月20~29日で、有効回答数595人だった。

これによると、節電への取り組み状況について、県内の家庭において、今年の夏より新たな節電をしているかどうか尋ねたところ、65.3%が「している」と回答。新たな節電をしていない人に理由を尋ねると「従来より節電には十分取り組んでいる」との回答が半数を占めており、県民の8割以上が何らかの節電に取り組んでいることがわかった。年代別にみると、60代の取り組みが73.6%と高く、40代の取り組みが58.0%と低くなっている。

今年の夏より新たな節電をしているかどうか尋ねたところ、63.3%が「している」と回答

新たな節電を「している」と回答した人に主な節電対策を尋ねたところ、「こまめな消灯」、「冷房の設定温度を上げる」、「冷房の使用を控える」などの対策が多くみられ、身近なことから実施していることがうかがえる。2割程度ではあるが「省電力製品(扇風機など)の購入」や「LED照明の導入」などの消費もみられた。

県内の家電量販店からは「省エネタイプのエアコンの売上が伸びている」「扇風機の品薄状態が続いている」「LED電球の売上が倍増した」などの声が聞かれたという。新たな節電をしている人に対して、節電のためお金をかけたかどうか尋ねたところ、32.1%の人が「お金をかけた」と回答した。「お金をかけた」と回答した人に、その金額を尋ねたところ、平均46,451円となった。「今後この暑さが続けば、消費はさらに増えることが予測される」(いよぎん地域経済研究センター)。

新たな節電をしている人に対して、節電のためお金をかけたかどうか尋ねたところ、32.1%の人が「お金をかけた」と回答した

太陽光発電などの自家発電設備の設置状況を尋ねると、「設置していない」が95.3%となった。自家発電設備を「設置していない」と回答した人に、今後の導入意向を尋ねたところ、「2~3年以内に購入したい」と「時期は未定であるが購入したい」を合わせ、10%強の家庭で導入を検討していることが分かった。

今後の節電への取り組みについて尋ねたところ、7.6%の人がさらなる節電対策を講じていくとし、「続けていきたい」と合わせると9割程度が節電を続けていくと回答。「今後も、県内での節電への取り組みは続いていくものと考えられる」(いよぎん地域経済研究センター)。