フライトシステムコンサルティングは、米I Love Velvet Inc.(ILV)と国内独占代理店契約を締結し、同社が販売するケースを装着することで、iPhone/iPod touchをPOS端末として利用可能にする「D-Holster」の国内販売を、8月より開始すると発表した。

「D-Holster」(iPhoneに装着した状態)

フライトシステムコンサルティングでは、「D-Holster」を装着し、同社が開発した専用アプリケーション2本(「POS マイスター」及び「ペイメント・マイスター」)を起動させ、さらに、現金を格納するためのキャッシュドロワー、およびモバイルレシートプリンタ等の外部機器と組み合わせることで、従来のPOSレジ機能を実現するPOS端末として利用することを可能するスマートPOSソリューション「POSマイスター」として販売する。価格は、これをすべてセットにして10数万円程度だという。

「D-Holster」の特徴

「D-Holster」には、バーコードリーダ、磁気カードリーダ、接触型ICリーダ(EMV仕様)、非接触型ICリーダ(NFC)の4つのインタフェースが搭載され、各種クレジットカードの読取機能のほか、ILV社とフライトシステムコンサルティングで共同開発した中国銀聯カードならびに日本独自のJIS2フォーマットのカードの読取機能を追加している。

「POSマイスター」のサービス概念図

クレジットカードの読み取り

バッテリ駆動のBluetooth対応のモバイルプリンタ

「POSマイスター」の画面

同社では今回のPOSソリューションの利用用途として、「コンパクトASP利用モデル」、「既存POS共存モデル」、「決済だけモデル」の3つを想定している。

コンパクトASP利用モデルは、催事会場、特設会場、イベント会場など、臨時増設などに対応するもの。この場合は、最小限の設備(POSマイスター、レシートプリンタ、キャッシュドロワー)で導入可能。同社では、今後商品マスター、売上管理、決済結果データなどを格納できるASPサービスを月額数千円で提供する予定で、このサービスを利用することで、サーバなどを新設することなく導入が可能だという。

「コンパクトASP利用モデル」

既存POS共存モデルは、既存のPOSレジにPOSマイスターを追加して利用する方法。同社では、今後、スムーズな開発を進めるため、既存のPOSシステムと連携するためのインタフェースを積極的に開示していく予定だという。また、同社が提供するASPサービスを利用して、売上情報を既存の売上集計システムに連携すれば、最小限の改修で既存POS製品と共存型のシステム構成を実現できるとしている。

「既存POS共存モデル」

決済だけモデルは、POSマイスターのカード決済機能だけを利用する方法で、既存POSに付随するCAT端末の置き換えや増設として利用するスタイルだ。

「決済だけモデル」

フライトシステムコンサルティング、代表取締役社長 片山圭一朗氏は、POSマイスターの強みとして、日本クレジットカード協会ガイドラインに準拠したセキュリティを備えていること、中国人観光客が利用可能な中国銀聯カード決済に対応していること、Bluetoothモバイルレシートプリンタに対応していることの3点を挙げた。そして、今後をPOSシステムを提供しているSIerを通して販売する方向も模索していくという。

米I Love Velvet Inc. COO Overseas Managers パスカル ジュアン氏(左)と、フライトシステムコンサルティング、代表取締役社長 片山圭一朗氏(右)