モバイル端末分野の特許紛争が絶えない。7月26日(米国時間)、無線技術企業の米InterDigitalがフィンランドNokia、中国Huawei Technologies(華為技術)、中国ZTEの3社を相手取り、米国際貿易委員会(ITC)に特許侵害訴訟を起こした。InterDigitalについては米Googleが買収を検討中と言われていることもあり、動向が注目される。

InterDigitalは携帯電話などのモバイル端末やネットワークの中核となる無線技術企業。同社は今回、7件の自社特許を侵害しているとしてNokiaら3社を訴えた。具体的には、3社は3G(WCDMAとcdma2000)携帯電話、USBスティック、モバイルホットスポット、タブレット、およびこれら製品の部品でInterDigitalの特許侵害が見られるとし、該当製品の輸入差止め、すでに輸入済みの製品については米国内での販売差止めを求めている。同社は同時に、デラウェア地方裁判所でも同様の訴状を提出したという。

InterDigitalについては7月中旬、Googleが買収に向け動いていることが報道されていた。「Android」を開発するGoogleは、自社やAndroidメーカーが米Appleや米Microsoftの訴訟ターゲットとなっていることもあり、モバイル面での特許ポートフォリオの拡充を急いでいる。カナダNortelの特許オークションでは、Apple、Microsoftを含む企業連合が45億ドルの値をつけ、当初9億ドルを提示したGoogleに競り勝った。InterDigitalは4Gを含む無線分野を中心に米国特許1400件、米国以外の特許8000件を持ち、出願中の特許は米国内外合わせて9500件に上るという。

ITCは今後30日以内に、InterDigitalの苦情を受けて調査を開始するかどうかを決定することになる。