宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月14日、準天頂衛星初号機「みちびき」の測位信号(L5、L1C)の品質・信頼性が準天頂衛星システムユーザインタフェース仕様書(IS-QZSS)に適合することを確認したため、アラートフラグの解除を行ったことを発表した。「みちびき」は6月22日にL1-C/AとL2Cの信号のアラートフラグを解除しており、今回のフラグ解除により、「みちびき」のすべてのGPS補完信号のアラートフラグが解除されたこととなる。

L5およびL1C信号はいずれも近代化GPS信号と呼ばれる信号で、L1-C/A、L2C信号に比べ測距精度の改善、マルチパス誤差の低減などが期待されている。

なお、L1C信号を放送するGPS衛星は2014年に打ち上げ予定で、L1C信号の提供は「みちびき」が世界で初めてとなる。一方、L5信号を放送するGPS衛星は2010年より打ち上げが開始されており、すでに1機が運用されている。

「みちびき」から放送するGPS補完信号。なお、これらの測位補完信号のほかに、測位補強信号としてL1-SAIF信号(1575.42MHz)とLEX信号(1278.75MHz)も放送している。