米AMDは30日、"Llano"の開発コード名で知られていた新Fusion APU「AMD Aシリーズ」のデスクトップ向け製品を発表した。Phenom等で採用されていたStarsベースのCPUコアをデュアル/トリプル/クアッド構成で内蔵するGPU統合型プロセッサだ。2011年7月3日より順次投入がはじまる。

「AMD Aシリーズ」

先月中旬に発表済みのモバイル向けに続く、メインストリームをターゲットとしたFusion APU製品。基本アーキテクチャはモバイル版と同様で、CPUコアはZacate/Ontarioで新採用されたBobcatベースではなく、Phenomで採用実績のあるStarsベース。統合されるGPUコアはRedwood(開発コード名、Radeon HD 55xx/56xxシリーズ)と同世代改良型のSumo(開発コード名)。

Llanoのダイ写真

ダイのブロックダイアグラム

プラットフォーム概要

競合ディスクリートGPUとのGPU性能比較

製品ラインナップは、AMD A8/A6/A4の3ラインで、全7モデルのプロセッサ製品が発表されている。最上位モデル「A8-3850」の動作クロックは2.9GHz。モバイル版と異なり、Turbo COREに対応しないモデルも存在する。各ラインナップおよび主な仕様は以下の表のとおり。

モデル TDP CPUコア数 動作周波数 Turbo CORE L2キャッシュ 対応メモリ GPUブランド GPU SP数 GPUクロック
A8-3850 100W 4基 2.9GHz 非対応 4MB DDR3 1866 HD 6550D 400基 600MHz
A8-3800 65W 4基 2.4GHz 2.7GHz 4MB DDR3 1866 HD 6550D 400基 600MHz
A6-3650 100W 4基 2.6GHz 非対応 4MB DDR3 1866 HD 6530D 320基 443MHz
A6-3600 65W 4基 2.1GHz 2.4GHz 4MB DDR3 1866 HD 6530D 320基 443MHz
A6-3500 65W 3基 2.1GHz 2.4GHz 3MB DDR3 1866 HD 6530D 320基 443MHz
A4-3400 65W 2基 2.7GHz 非対応 1MB DDR3 1600 HD 6410D 160基 600MHz
A4-3300 65W 2基 2.5GHz 非対応 1MB DDR3 1600 HD 64!0D 160基 443MHz

国内市場ではまず「A8-3850」と「A6-3650」の2モデルが投入され、残りのモデルも今年中に追加で投入される予定。A8-3850の店頭予想価格は13,980円、A6-3650の店頭予想価格は11,980円。

参考までに、対応チップセットに関する記事はこちら、Llanoのモバイル版をベースとしたアーキテクチャ詳細解説と実性能検証の記事はこちら