日本HPは、1台のPCで複数ユーザーの処理が可能な「HP MultiSeat Computing」の最新機種として、ホストPC「HP MultiSeat ms6200 Desktop」と、各クライアント用のシンクライアントデバイス「HP t150 Thin Client for MultiSeat」、および「t150」に電源供給できる18.5インチワイド液晶ディスプレイ「HP Thin Client用TFTモニター LE1851wt」を発表した。いずれも6月30日から販売される。

「HP MultiSeat Computing」は、専用ホストPCに小型のアクセスデバイスをUSB接続するだけで、複数のユーザーが同時にPCを利用できる小規模ネットワーク向けソリューション。

「HP MultiSeat Computing」

「HP MultiSeat ms6200 Desktop」は、CPUにIntel Core i5/i7を搭載することなどにより、パフォーマンスがアップしたことや、マイクロソフトが今年の4月にリリースしたWindows Multipoint Server 2011を搭載することにより、従来の最大10台までだった接続クライアント数を最大20台に拡張させている。Multipoint Server 2011では、各ユーザーの画面をサムネイル表示する機能や、複数のホストPCをまとめて管理する機能も追加されている。

「ms6200」

ホストPC「ms6200」は、Intel Core i5-2400、4GBメモリ、500GB HDDを搭載する「Essential Configuration」と、Intel Core i7-2600、8GBメモリ、500GB HDDを搭載する「Extended Configuration」の2種類があり、両機種とも、最大同時接続10台のWindows MultiPoint Server 2011 Standardプリインストールモデルと、最大同時接続20台でドメイン参加が可能なWindows MultiPoint Server 2011 Premiumプリインストールモデルがある。

「HP MultiSeat ms6200 Desktop」(左)と「HP t150 Thin Client for MultiSeat」(右)

価格は以下のとおり。

Essential Configuration

モデル 価格
MultiPoint 2011 Standardモデル 113,400円
MultiPoint 2011 Premiumモデル 144,900円
MultiPoint 2011 Academic Premiumモデル 103,950円
MultiPoint 2011 Free DOSモデル 81,900円

Extended Configuration

モデル 価格
MultiPoint 2011 Standardモデル 134,400円
MultiPoint 2011 Premiumモデル 165,900円
MultiPoint 2011 Academic Premiumモデル 124,950円
MultiPoint 2011 Free DOSモデル 102,900円

「t150」

「t150」は、新たにユーザー専用のUSBポート2基を備え、MultiPoint 2011の新機能により、最大5台までのデイジーチェーンに対応する。これにより、これまではホストPCのUSBポートを全員で共有していたが、今回の製品から個別のUSBポートを利用できる。また、電力はUSB経由でホストPCから供給されるため、電源なしで動作可能。ただ、デイジーチェーンした場合や5m以上延長する場合を想定し、ACアダプタオプションも用意されている。

そのほか、前回まではホストPCのIPアドレスを共有して利用していたため、動作しないアプリがあったが、今回からt150に個別にIPアドレスが付与される。価格はMultipoint Server 2011のCAL付きが13,650円、Academic/Multipoint Server 2011のCALなしが8,085円。

「LE1851wt」

「LE1851wt」は、18.5インチワイド液晶のディスプレイで、「t150」付属のブラケットを使用してディスプレイ背面にマウントすることにより、省スペース環境を実現する。付属品として標準のVGAケーブルに加え、マウント用の短尺ケーブルも同梱される。付属電源ケーブルによって「t150」への電源供給がディスプレイ側から行えるようになる。価格は19,950円。

「HP Thin Client用TFTモニター LE1851wt」

「t150」付属のブラケットを使用してディスプレイ背面にマウントできる