ノークリサーチは、東日本大震災が中堅・中小企業に与える影響についての包括的な調査を実施し、「中堅・中小企業における震災に伴うIT投資規模の変化」に関する結果を発表した。調査対象は、年商500億円未満の国内民間企業1,000社の経営層および管理職。

それによれば、2011年から2015年までのIT投資規模遷移を年商別、カテゴリ別に比較した場合、年商が低くなるにつれて震災前後での成長率の鈍化が大きくなり、年商300億円以上の中堅上位企業を除くと、今回の震災が2011年以降の比較的長い期間に渡って中堅・中小企業全般に影響を及ぼす可能性が高いと推測されるという。

年商別のIT投資市場規模CAGR(2011年-2015年) 、カテゴリ別のIT投資市場規模CAGR(2011年-2015年)

ただ、厳しい状況下においてもIT投資を増やすと回答する中堅・中小企業も存在し、ソフトウェア、ハードウェア、サービスのいずれにおいても「震災とは関係なく、自社の業務改善/コスト削減のためにシステム改変が必要」という理由が突出して多く挙げられているという。その次に多く挙げられているのが、地震や電力不足への備えで、同社では、予算が限られる中小企業や中堅企業の部署単位などの広い裾野をカバーするためには「コストをかけずに、直近で中堅・中小企業が懸念している課題を解決/軽減できる」ソリューションが必要としている。

また、PCからの情報漏洩防止といったセキュリティ関連投資は企業業績が悪化した中でも比較的堅調を保つことが多く、消費電力の把握/削減を併せて提案すれば、中堅・中小企業としても提案を受けやすいとしている。