iMacの内蔵HDDを非純正に交換するのはAppleの認めるところではないが、ネット上には豊富な情報が存在し、内蔵HDDの換装に挑戦するiMacユーザーは少なくない。しかしThunderboltを搭載した最新モデルでは純正HDDをチェックする仕組みが変更されており、ユーザーの自己責任によるHDD換装は不可能であると、Mac向けストレージ製品/サービスを提供するOWCが報告している。

Late 2009モデルよりも前のiMacには内蔵HDDの表面に温度センサーがテープで貼り付けられていた。内蔵HDDにまでアクセスできれば、サードパーティのHDDに交換できた。Late 2009 iMacでは純正HDD自体に温度センサー用の4ピン端子が設けられ、同様の端子を持たない非純正HDDは使えなくなった。それでもOWCによると、同じブランドの同じ種類のHDDを選んで、ファンコントロールに留意すれば、ユーザーによるHDD換装は不可能ではなかった。

最新のiMacの内蔵HDDには4ピン端子が存在しない。通常のSATA HDDに見えるが、iMac用に設計されたHDDなのだという。OWCがiMac最新モデルを使ってTurnkey Upgrade Serviceの動作を試す過程で、純正HDDとまったく同じHDD (Western Digital Black WD1001FALS)に交換したものの、Apple Hardware Test (AHT)で不適格になったため、Appleが施した変更に気づいた。純正HDD以外はAHTで認められず、またHDDを交換するどころか、収納ベイから純正HDDを取り外しただけで冷却ファンが最大回転数で動作し始めたという。OWCは、温度を含むHDD管理の情報のやり取りが電源ケーブルに集約されたと見ている。温度センサーだけを切り離すことができず、「つまり、Appleブランドのメイン・ハードドライブは(ユーザーやサードパーティが)取り外したり、または交換することができない」と白旗を揚げている。

OWCの報告に対して、HDDは壊れるものであり、ユーザー自身による交換の道が残されるべきという声が目立つ。ただ、ノートパソコンのようにパーツが詰まったiMacでは正確な温度管理が優れた利用体験に直結する。自身でHDDを交換しないユーザーにとっては、むしろ正確にHDDがモニターされ、適切なタイミングでサポートサービスに相談できるメリットの方が大きい。電源と温度センサーの統合についても、ケーブルを集約する近年のパソコンシステムの流れであると指摘する声もある。